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2010年10月12日 (火)

生物の多様性と言語の多様性は一つのパラレルな現象である、という仮説、あるいは暴論。


一週間ほど前の話になるけれども、
海外からのとてもおもしろいニュースを目にした。
日本の新聞記事でも紹介されたのかどうか、寡聞にして知らないけれど。

簡単に記すと。

米ナショナル・ジオグラフィック協会によると、
インド北東部のアルナチャルプラデシュ州(ってどこ!?)で、
今まで一般には知られていなかった未知の言語、
コロ語」の存在が確認された、とのこと。

この「コロ語」は、「チベット・ビルマ語派」に分類されるとはいうものの、
400ほどもあるとされる同語派の他の言語とは深いつながりが認められない、という。
具体的には、同地域で話されている「アカ語」や「ミジ語」と「コロ語」との間の言語的差異は、
「英語と日本語ほどの大きな違いがある」(米スワースモア大学のデービッド・ハリソン准教授)。

そもそも英語と日本語ほどの開きがあるにもかかわらず
同じ語派に属するというのも奇妙な話ではあるのだが(もしホントにそうなら違う「語派」なんじゃ・・・!?)、
それにしても現在、この言語を日常的に使用しているのはたったの800人ほどだそうで、
しかも20歳未満の若い世代はほとんどいない、という。
つまり、今まさに滅びに直面している言語の発見、というわけです。

ニュースソース

ともあれ、たった800人の間での意思疎通のためのツールでしかないとはいうものの、
それが保存され現に流通しているというそのこと自体がまったく奇跡的なことであり、
このグローバル化された社会の中でそのような「発見」がいまだに可能である、
ということに素直に感動してしまった。

ここで、ちょっと驚くべき数字を。

Wikipedia
から。
「公式統計によると、インドで母語として話される言語は(方言を含め)1683あり、
 そのうち850言語が日常の社会生活で使用されている」。

どこかの国の勇気ある政治家さんの「日本は単一民族国家」説じゃないけれども、
2つかせいぜい3つくらいの言語系統しか持たない国の人間の頭からすると、
この1683とか850とかいう数字は、まったく理解のホカとしか言いようがない。
そもそも、これだけの言語を統制しつつ国家として成り立っていること自体、どうかしてる。

なので、そのうちの一つや二つの言語が消滅しようが死滅しようが、あるいは忽然と現れようが、
それほど大した話ではない、と考える人がいるとしても僕は驚かない。

ところが。
先ほどの記事は、最後にこう結んでいる。

「研究者らによると、世界では2週間ごとに1つの言語が消滅している。
 現在使われている6910の言語のうち、2100年には半数以上が消滅する見通し」である、と。

周知のとおり昨日から、名古屋市で国連生物多様性条約第10回締約国会議 (通称COP10) が開催されている。
こじつけかもしれないけれど、上の小言語の消滅の話と、生物の絶滅の話と、
どこかでリンクしているような気がしてならない。
「どうリンクしているのか」と問われれば、静かにうつむくほかないのだけれど。

なぜ生物は多様であるべきなのか。あるいは、むしろそうでなければならないのか。
それは、最近の新聞などの記事やネットのサイト等に詳しいので (といって逃げておく) 、ここでは触れない。
では、言語も多様であるべきか、否か。
国家の維持・繁栄のためには、とうぜん均一化したほうが都合がいいことでしょう。

確かに。

では例えば極論として、英語と北京語以外通用しない世界、
そんな未来が来るとしたら、それは明るい時代といえるだろうか。
いま以上の文化的繁栄がもたらされるにちがいないなどとと言い切れるだろうか。
これは僕個人の予想・推定でしかないのですが、決してそうはならないんじゃないだろうか。

では、「どうリンクしているのか」。

強いて答えるとするならば、生物においても言語においても、
グローバルな均質化・平準化は、一方では生態系の、他方では文化の衰退を志向している、
とこう言えないでしょうか。

2週間ごとに消滅していくというとるに足らない言語たち。
片や、つい最近まで人間たちのそばで穏やかに暮らしていた幾種類もの生き物たち。
あるいは、今まさに絶滅せんとしている多くの種。

警戒心のかけらも見せることなく飢えた船乗りたちに次々と捕らえられ、
発見から180年ばかりでこの世から消えていった気のいいドードー。
01

外来犬が持ち込んだとされる伝染病により絶滅したニホンオオカミ
(それだけが原因ではないらしいけれども)。
02

(National History Museum)。

以下、今日の毎日新聞の特集面より。

地球では過去に、全生物種の70~90%以上が姿を消す「大絶滅」は少なくとも5回起きた。
今は「第6の絶滅」と言われ、国連は「現在の絶滅速度は過去の1000倍になっている」と警告。
9月末、英王立植物園は世界で記録されている約38万種の植物のうち22%が絶滅の危機にあると発表した。別の分析では年間4万種が絶滅しているという。

生物種は、現在までに5回もの大絶滅期をすでに経てきており、
まさに今、6回目の大絶滅期を迎えようとしているということ。
しかも、それはとりもなおさず人類の手によって引き起こされようとしているということ。

チリの落盤事故の救出劇や芸能人の再婚話やカミツキザルや暴力グマや
たかだか3億だか4億だかの土地購入資金だの証人喚問だのといったもろもろが今、
テレビニュースではもっぱら話題になっているけれども(もちろん偏見です)、
もうちょっとCOP10について時間、割けないものなんでしょうかねー。
ウィークデーのゴールデンタイムに特番組むとか。

まぁムリか、まだ始まったばっかりだし・・・。

というワケで、たまにはこんなふうに大上段に構えたような記事でもと思いまして。
単なるシロウトのヨタ話として読んでいただければ幸いです。
また次回は、庭に現れたケムシの話でも書こうかと思ってます。

ではでは、またまた

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本日の絶滅音楽

マキシマム ザ ホルモン / 「F」 (2008)

爪爪爪/「F」 爪爪爪/「F」

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ナメック星でのベジータとフリーザの戦闘に仮託しつつ、
中国軍によるチベットへの武力弾圧を激烈に指弾するプロテスト・ハードコアパンク。

下は、曲とドラゴンボールZのエディットが奇跡的なMad映像。
誰が作ったんだろ、英訳とのシンクロも鳥肌モノ。

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コメント

今回の記事で納得しました。
息子の同級生の父親(インド人)は12ヶ国語を操ると聞いていましたがそんなに言語があったのですね!

私は某植物についても絶滅を心配していましたが、植物は『種子』というカタチで、特に、先進国では管理の行き届いた施設で永久保存されているそうで、、、

まあ、そういう状態で永久保存している間でも保存種子が低温に順応して本来の姿とは違う特性を現す可能性もあるので、育てながら保存するのが良いという意見もあるのですが、日常生活の中でも種子という姿に変身する植物は、見方を変えれば動物より進化しているのかな?

投稿: エレキ | 2010年10月14日 (木) 00:32

エレキさん
コメントありがとうございます。

日本でも、在来植物が急激に減少しているなんて記事もたまに見かけますね。いろんな原因があると思いますが。
わが国にも「シード・バンク」的な管理施設があるんでしょうか。でもたとえいくら種子を保存しても、本来の気候自体がこうも急激に変わってしまっては、特に高山植物なんかはどうにもならないんじゃないでしょうかね、残念ながら。

「動物より進化」、ほんとうにそうかもしれませんね。ある見方からすれば、遺伝子の残し方としては、動物よりもはるかにエレガントなんではないかとさえ思うことがあります。

ではでは

投稿: FuManchu | 2010年10月15日 (金) 17:21

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