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2011年11月12日 (土)

原発推進論者たちの「理」 (5) - 読売新聞篇

いいかげんしつこいと怒られそうですが、このシリーズもそろそろ打ち止めなのでお許しを。
今回と次回は、この期に及んで「それでも原発は必要です」
というアピールを一貫してなさっている大手新聞社二社の主張を取り上げます。

今回の目を覆いたくなるような原発事故により、さまざまなメディアが国の原発政策への疑問を呈しはじめている昨今。
大手新聞社のいくつかもすでに原発推進に対して明確にノーを突きつけようとしています。

インターネット等の普及によって年々購読者数は落ちてきているとはいえ、腐っても新聞、というわけで、
その影響力は、(特に年齢が上になればなるほど)まだまだ巨大なものを持っているものと思われます。
さてその記事、特にその社のスタンスを明確にマニフェスト(表明)しているに違いない社説の中から、
これからのエネルギー政策として何が何でも原発を、という明確で説得力のある「理」を見出すことができるでしょうか。

まずは稀にみる才能と良識を有する主筆を擁しつつ、
ロシアの「プラウダ」紙を抜いて世界中でもっとも購読者数が多いと謳われているわれらが読売新聞社の社説から。

例によって恣意的に文章から抜粋していきますので、気になる方は実際に原文に当たっていただければ幸いです。
抜粋箇所は恣意的ですが、その内容を改変するようなことはしていないつもりですのでご理解ください。
リンク切れの場合はご容赦を。

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エネルギー安全保障地球温暖化対策の観点からも、原発は安全に管理する限り、電力供給で重要な位置を占め続けよう」
3/29付


資源小国の日本が経済力を維持し、復興に確かな道筋をつけるためには、やはり、原発の安全性を高めて活用していくことが現実的な選択である。世界各国は、二酸化炭素の排出量を減らす地球温暖化対策も迫られている。その点で原発はなお、有力なエネルギー源と言える」
5/27付

深刻な電力不足が予想される中で、脱原子力発電の“看板”だけを掲げるのは無責任だ。自然エネルギーの普及は促進すべきだが、現時点では総電力の1%にとどまり、発電量は天候などで変動する。コストも高い。量と価格の両面で難題を抱えており、近い将来、原発に代わる基幹電力の役割を担えるほど見通しは甘くない。安全確保を徹底しつつ、原発利用を続けることが、経済の衰退を防ぐためには欠かせない。代替電力の展望もないまま原発からの脱却ばかりを強調するのは、あまりにも非現実的だ」
7/14付


電力の安定供給には定期検査で停止中の原発の再稼働が急務」
8/16付


「(高橋はるみ北海道知事が泊原発再稼動を)決断したのは妥当である」
「政府は、ストレステストを早急に実施することで原発の安全性を確認し、地元自治体の理解を求めるべきだ。原発を再稼働させて電力危機を回避する責任がある」

8/18付


「チェルノブイリ原発事故の際もセシウムが土壌中などで検出されたが、セシウムによる健康被害はなかったと、国際機関が報告をまとめている。政府は、消費者が過剰反応することのないようコメの安全性の科学的根拠について分かりやすく説明する必要がある。消費者も冷静な対応を心がけてほしい」
8/19付


「放射線は大量に受けると人体に悪影響が及ぶ。危険な印象もあるが、使いようによっては、レントゲンやがん治療など役に立っている例もある。宇宙や大地などからの放射線もあり、人は日常的にある程度の放射線を浴びている
「(中学校の授業において)原発の安全確保の重要性について考えさせる機会も作ってもらいたい」

8/20付


「今回の電力制限は、電力不足が経済活動を大きく制約することを改めて裏付けた。電力供給への不安から、企業が生産拠点を海外移転させる動きも出ている。空洞化が加速し、雇用の減少に波及しないか心配だ。原発の再稼働は、産業空洞化を防ぎ、日本経済が震災から本格的に立ち直る必要条件である」
9/2付


「エネルギーの安定供給は、豊かな国民生活の維持に不可欠である。この際、(菅直人)前首相の安易な「脱原発」に決別すべきだ」
「日本が脱原発に向かうとすれば、原子力技術の衰退は避けられない。蓄積した高い技術と原発事故の教訓を、より安全な原子炉の開発などに活用していくことこそ、日本の責務と言えよう。高性能で安全な原発を今後も新設していく、という選択肢を排除すべきではない」
「日本は原子力の平和利用を通じて核拡散防止条約(NPT)体制の強化に努め、核兵器の材料になり得るプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実である」

9/7付


「定期検査で停止している原子力発電所の再稼働を急ぐ必要もある。安全性を確保することは無論、重要だが、いたずらに再稼働を遅らせるべきではなかろう。明確な展望を欠いた「脱原発依存」ではなく、安定的な電力供給を実現するエネルギー戦略の再構築が求められる」
9/13付


「野田首相が原発事故の早期収束と、原子力の安全利用を国際公約として表明した。原子力の平和利用の先頭に立ってきた日本としては、現実的かつ妥当な判断である」
9/24付


「日本の成長戦略を推進するうえで、原発などインフラの輸出は重要だ」
10/24付


「日本では、福島第一原発のような津波災害について、すでに政府が、浸水防止策の強化といった緊急安全対策を取るよう各原発に指示し、対応が進んでいる。当面の安全対策としては、これで十分とする専門家は多い」
10/29付


「南シナ海沿岸部に建設される原発2基を日本企業が受注する。日本の官民の技術力を結集し、原発の安全性向上に努めて、ベトナム側の期待に応えることが求められる。ベトナムでの原発の運転、保守管理や、技術者の育成にも中長期的に協力していく必要がある
11/1付


経団連の調査で6割の企業が、電力不足が今後2~3年続いた場合、国内の生産を縮小・停止すると答えた。電力不足は、景気悪化や産業空洞化などで経済に打撃を与える。安全を確認できた原発から再稼働を急ぐ必要がある。無論、安全性の確認は大切だが、稼働中でも点検は可能だろう。政府が再稼働の判断を先送りする口実としてはならない」
11/3付


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さて、いかがでしたでしょうか。

一説には読売の社説は今でも主筆(渡辺恒雄氏)が手がけている、などとまことしやかに言われていますね(ほんとかな)。
発行部数は一時1,000万部を誇り
、世界最多の読者を持つといわれる新聞の社説がご覧のありさま。
単純計算すると毎朝12人に一人くらいの方がこの社説を読んでいることになりますね
(ひとりだけが読むとは限らないので実際はもっとでしょうね)。
これを読みつつ腕組みしながら「うんうん、まったくそのとおり」と独りごちているお父さんの姿が目に浮かびます。
うん、なんか恐ろしい。

読者欄とかなんとか、他のコーナーはいったいどういう論調になってるんでしょうか、このメディアは。
もしかして全部が全部この調子なわけではないんでしょうね。
逆に興味あるな。
いっそのこと購読してみようかな(ちなみにわが家は毎日新聞です、今のところ)。

というわけで、次回は当然ながら産経新聞をとりあげないわけにはいきますまい。
公平に言って、今回取り上げた読売新聞の3倍はラディカルな論調といえます。
乞うご期待(?)です。

ではでは、またまた

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