カテゴリー「 環境問題」の23件の記事

2012年1月23日 (月)

福島の未来、チェルノブイリの逆説

福島第一原発の事故が報じられてからはや10ヶ月以上。
依然、放射性物質の脅威のニュースは連日後をたちません。
というより、低線量被曝問題も含めてむしろ本当の怖さはこれからやってくる、
というのが一般的な見方なのかもしれません。

そんな中僕が気になるのは、原発周辺の自然環境が、今後どのように変化していくのか、ということ。
今現在、事故処理に当たっている人たち以外、基本的に立ち入り禁止区域となっていますが、
おそらく今後数十年、場所によっては半永久的に人の立ち入りが拒絶される場所となってしまったわけです。

強力な放射能を浴び続けることによって、福島の土は、山は、川はどうなっていくのか。
鳥は、動物は、そこから逃げられない小さな生き物たちは、どうなっていくのか。
今このときにも彼らは何も知らずに、
上空から静かに降り注ぐ放射性物質によって確実に汚染されつつあります。

実際に事故原発周辺がどうなっていくのか、正確なところはたぶん誰にもわからない。
けれども、私たちはチェルノブイリという前例を持っているわけで、
そこでの25年間の自然の推移は、数は少ないもののいちおういくつかの報告はあるようで、参考にしてみたい。

というわけで今回、アメリカ系ウクライナ人女性ジャーナリストが著した
『チェルノブイリの森 - 事故後20年の自然誌』という、
主にチェルノブイリ周辺の自然環境の変異を綴っている書物をひもといてみることにしました。


01_2 

チェルノブイリの森 - 事故後20年の自然誌』(メアリー・マイシオ)


1986年、チェルノブイリ原子力発電所で爆発事故が発生し、世界中に放射能がばらまかれ、当時のソ連地図に汚染の大きな印がつけられた。それ以来、「チェルノブイリ」という言葉は放射能に汚染された不気味な荒野を彷彿とさせるようになった。
ところが事故の十年後の1996年に初めてチェルノブイリ地区を訪れると、驚いたことに、いちばん目につく色は緑色だった。通説や想像とは裏腹に、チェルノブイリの土地は独特の新しい生態系に生まれ変わっていたのだ。悲壮な予言(「ヨハネの黙示録」)などものともせず、ヨーロッパ最大の自然の聖域として息を吹き返し、野生の生物で満ちていた。動物は、思いもかけず魅力的な棲みかとなった森や草原や沼と同様に、放射性物質ですっかり汚染されているが、繁栄してもいるのだ

つまり大雑把に言えば、放射能汚染後の土地は、人間の手が介入できないことによる荒廃ではなく、
逆説的に豊かな自然の凶暴なまでの横溢ぶりを示している、という。

湖は、いついかなるときでも確実に命を奪うほど汚染されているわけではない。水中で暮らす植物や動物はぴんぴんして生きているし、人間のじゃまが入らないぶんだけ、事故が発生していなかった場合よりも数が多いかもしれない

福島はおそらく、今後数十年を経て、このチェルノブイリの森と同じような道をたどるのではないか。
いやむしろ、気候が温暖湿潤な分、自然の回復の度合いは早まるかもしれない。
「放射能に汚染されてはいるが、人が介入することのない豊かな森」。

02



個別の例を見てみる。

事故から十年の間に、落葉落枝から腐植土までの分解層に棲みつく生物種の数が半分以下に減ってしまった。それは恐らく、森の汚染がきわめて高かったからだろう。ダニやヤスデなど森の土壌に棲む虫の生息数はゾーン(避難区域)外より少なかった。ところが十年目から二十年目の間に回復してきている。恐らく、放射線量が減少したからか、あるいは虫が抵抗力をつけたからだろう

放射能の影響は生命力を弱めるという説もあるが、それに抵抗するように、有性生殖も無性生殖も可能な水生のミミズが、チェルノブイリでは、ゾーン外のミミズよりも交尾する率が高くなった

日ごろのニュース等で報道されているのを目にするとおり、
放射性物質は、自然のより豊かな部分に蓄積されていく傾向がありますね。
都会では植え込みの下草や落ち葉、土壌などが、
コンクリートなどの人工物よりも線量が高いと一般的に言われてます。
逆に言えば、自然は放射性物質だろうがなんだろうが、それらすべてを受け止め、
外部へなるたけ漏出させないという側面を持っているようなのです。
したがって原発周辺の自然環境の腐植土の下で生きている
小さな生き物たちへの影響は絶大だと思って間違いはないでしょう。
「虫が抵抗力をつけた」のかどうかはさだかではないけれど、
そのような場所でも生きているということ、それそのものが感動的です。

もう少し大きく、森の生態系について書いてある部分を引用してみます。

チェルノブイリ事故後にネズミの個体数が爆発的に増加した。1987年と翌年には、ネズミの数は1haにつき2~30匹から、何と2,500匹にまで膨れ上がり、強制避難地域を覆いつくしてしまうほどの数で安定したように見えた。ネズミ問題は深刻になり、ゾーンの役人の中には毒殺しようと言う者まで出てくる。ところが生物学者は個体数はすぐ自然に安定すると予測し、その通りになった。
まず、ネズミの個体数が爆発的に増加すると捕食動物が集まってきた。キツネやイタチ、とりわけ猛禽類だ。それでもネズミは多すぎて、野原には十分な餌が足りなくなった。しかしネズミの行動範囲は狭く、遠くまで出かけることができない。それで、1988年の秋には大半が餓死する。すると今度は、これ幸いと大量の死骸にむらがる腐食動物の数が一時的に急増する。ところが、ネズミの死骸が野原から一掃されると、自然界の掃除屋も姿を消した。人間の介入がなくなると、ゾーンの自然がその均衡を取り戻せることを示した最初の例だ

人間の介入がなくなったということにより、一時的に自然界のバランスが崩れたものの、
ほんの数年間で自然の冷厳な掟によって安定していった、というわけですね。

もう少し大きな生物、例えば鳥についての記述。

ポレーシェはヨーロッパでクロライチョウが昔から棲んでいた営巣地の南限にある。営巣地はかつてはヨーロッパのあちこちにあったが、今ではおもにロシア北部とスカンジナビアに限られている。ところが人間が住まなくなったチェルノブイリの土地は、この鳥が集まる環境を生み出してきた

ベラルーシでは、ダイサギは時たま見かける迷子のほかはいなかった。ところが、今ではゾーンはダイサギの主要な営巣地になっている。あたりのどんな様子からでもうかがえるのは、放射能が、人間を追い払ったことで鳥に寄与しているということだ。セシウムやストロンチウムやプルトニウムが一羽一羽のサギにどんな影響を与えようとも、放射能はサギ全体にとって人間の活動ほど悪いものではないらしい

ウなどの水鳥は1988年から姿を見せ始めた。12年後には、何千羽にもなり、木に大きなコロニーを作り、糞が積もって木が枯れてしまうほどだった

ずんぐりした体つきでカアカアと鳴くゴイサギの繁殖が1999年に初めて確認される。青と白のシロガラは、ヨーロッパのほとんどどこでも珍しい鳥だが、巣作りを開始し、世界でも珍鳥に属するハシボソヨシキリもやって来た

絶滅危惧種のオジロワシも現れ、ゾーンで越冬したものまでいて、50羽もいる。この鳥はチェルノブイリ事故の前には一羽もいなかったのだ

ヨーロッパのたいていの地方では干拓されて姿を消したピートの湿地に、コミミズクが巣を作っている

チョウゲンボウがプリピャチのバルコニーでほったらかしになっている花壇に巣をかける

絶滅危惧種のワシミミズクのヒナが石棺のそばで見つかることがある

事故の前にはナベコウはゾーンには一羽もいなかった。強制避難が行われたあとに現れ、ウクライナ側での生息数は2000年におよそ40羽にまで増えた。

250から280種の鳥(そのうち40種は希少種、あるいは絶滅危惧種)が強制避難以来、ゾーンで見かけるようになったのだ

・・・以上を読んだだけでも、いかに自然の回復力がすさまじいか、ということがよく分かりますね。
ただし当然のことながら自然が豊かになることによって
放射能による汚染が軽減されるというわけではいささかもありません。

例えばこんな記述も。

汚染の激しい『赤い森』に巣をかけるシジュウカラの卵殻には、放射性ストロンチウムが4万Bq/gも含まれている

・・・つまり、kgに換算すると実に4千万ベクレルのストロンチウムがこの小さな鳥の卵に含まれていた、という事実。

また、放射能が鳥に与える影響についてこんな記事も。
鳥に現れた異常、チェルノブイリと動物」(ナショナル・ジオグラフィックより)


最後に、大型の獣について。

あのヘラジカが立っていたのはベラルーシ側だったが、国境の両側に広がる無人地帯は、野生の動物にとって魅力的な棲みかになっていたのだ。キノコ狩りを禁じる規則は、狩猟動物を狩ることも禁じているからだ

人間はモウコノウマを絶滅の瀬戸際に追いつめ、それから野生で生きる新しい未来を与えた。何という皮肉だろう。野生で馬たちが生きることのできる場所、恐ろしい人間から解放される数少ない場所のひとつが、放射能に汚染された土地なのだ

ちなみにこちらも『ナショジオ』の記事。
哺乳類への影響、チェルノブイリと動物


03
チェルノブイリ原発4号炉、いわゆる「石棺」。

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SF作家ブルース・スターリングは、戦争や汚染などの災難のせいで自然が帰り未開の状態に戻った土地を「意図せぬ自然公園」と名づけた。意図せぬ自然公園は、手つかずの自然ではなく、「報復する自然」 - 政治や科学技術で崩壊した地域に再び自分たちの存在を主張する自然 - である。
チェルノブイリ事故は、絶滅の瀬戸際に追いつめられていた種が今では野生で繁栄しているという驚くべき例をいくつも生み出している

もちろん、故郷に帰るということを願ってやまない地元の方々の思いは
最大限に尊重せねばならないのは言うまでもないですが、
強度に放射能に汚染されながらも、恐らく自然はごく早急にその本来の姿を、
決してその場に入ることのできないわれわれ人間に誇示する日がやってくるのかもしれません。

今回はちょっとおカタい読書感想文になってしまいました。
本当ならば事故後も避難区域(ゾーン)にとどまりながら生活している人びと
(「サマショール」と呼ばれる)についても語りたいのですが、紙数が尽きました。

ではでは、またまた

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2011年12月28日 (水)

西風の女神舞う林を (3)

「初夏の夕方に羽をキラキラと輝かせながら、ミドリシジミがハンノキ林を飛び回る様子は、
埼玉の原風景の象徴といえます」
(さいたま市の「県の蝶ミドリシジミを見る集い2011」案内文より

ちょっと前の話になりますが、今年もまた行ってきました、「ミドリシジミの林づくり」。
戸田市の「戸田ヶ原自然再生事業
」の一環です。

去年の記事。
西風の女神舞う林を (1)

西風の女神舞う林を (2)

場所は荒川沿いの、昔「戸田ヶ原」と呼ばれ、今は「彩湖・道満グリーンパーク」と呼ばれる公園の敷地内。
去年タネを取って育てた苗を、今年はハンノキ林の周囲に植えていく予定。

01  02
小苗はこんな感じ。尊敬です。

自分は残念ながら芽が出ませんでした・・・orz
春先、完全に乾燥させてしまったことがあって、それが原因ではないかと思われます。
ハンノキはそもそも湿地に生息する植物なので、乾燥は厳禁なのであります。

03
今年は助手二人をともなって。まあ遊び半分ですが、何か学んでくれればいいな。

04  05
あらかじめポールを立てたところに植え込んでいきました。
ここが何年か後、ハンノキ並木になる予定。

06
公園入口の駐車場付近の100x20mほどの細長い区画に、かろうじてハンノキ林が残されています。
残念ながら現在、この林にはミドリシジミの生息は確認されておりません。
ただしここから何kmか北のさいたま市内の公園のハンノキ林には、
今も「県の蝶」ミドリシジミの繁殖地となっているそうです。
その林とつなげてミドリシジミの「ハンノキの通り道」を作るのが目標。
なんとも悠長な話ですが、それだけ夢のある話であるとも言えると思います。

07  08
苗を植え終わった後は、去年と同じくハンノキの種取り。
今年は去年に比べてかなりの不作。なんでかな。

09  10
ブルーシートに落とした種を集めます。
小さな松かさの集まったみたいな形状。

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指で揉むと種が出てきます。

12  13
たくさん集めたのを鉢土に蒔きます。100粒蒔いて5個から10個くらい芽が出ればいいほうだそう。
まあ、園芸種じゃないから、仕方ないですね。
でも、来年こそ。

14
かつてはまったくの普通種だったにちがいないミドリシジミの標本。
光が当たるとキラキラと光ります。

15  16
雄と雌。色が違うのがおもしろいですね。

ではでは、またまた

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2011年12月 1日 (木)

原発推進論者たちの「理」 (6) - 産経新聞篇

さて、このシリーズもやっとこさ今回で最終回です。
恐らくもう「いい加減にしてくれ」な気分だと思いますが(一番強く思っているのが何を隠そうこの自分です)、
せっかく彼らの言い分をここまでまとめてきたのだから、一応は最後までやり遂げよう、というワケで。

今回は、前回の読売新聞篇に続き、日本経済界の良心ともいうべき産経新聞の主張から。
その社説はその名も「主張」。
件のレベル7放射能漏れ事故以降もまったく怯むことなく原発推進路線の一本道をひたすら突き進んでいらっしゃり、
その意味での一貫した主張には頭が下がる思いがいたします。

言ってみれば、「この期に及んで何故原発でなければならないか」という「理」は、
すべてこの新聞の社説(あるいはその他の記事)において言い尽くされていると言っても過言ではないでしょう。
あれから9ヶ月ほどの時を経て、そのすべての「主張」をくまなく羅列するのは紙面の都合上問題ありですので、
文脈をおもんぱかりつつ時おり細かな文章、言い回し等の変更、省略等がありますがご容赦のほどを。
前回同様、できましたら原文に当たっていただければ幸いです。

特に明記なき場合は社説「主張」から。

01

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<電力の安定供給といえばやっぱり原発。ほかはムリ>

一時の感情に流されて原子力の否定に傾斜するのは短慮にすぎる国のエネルギー安全保障上も危険である。高度な現代社会は、膨大なエネルギーを求めている。その上に成り立っているのが、われわれの暮らしなのだ」
4/1付

「先進国の生活水準を維持するにはエネルギーがいる。その安定供給に果たす原発の位置付けと安全性について、国による国民への十分な説明が必要だ。菅政権が漫然と手をこまねいていれば、大規模停電が心配されるだけでなく、国民は慢性的な電力不足を強いられかねない。国際的な産業競争力の喪失にもつながる」
5/13付

「「脱原発」は耳に心地よく響くかもしれないが、現実を顧みずに直進すれば「貧エネルギー社会」に突き当たる。電力不足で経済や社会の機能が停滞すれば、東日本大震災の復旧・復興の致命的な障害ともなりかねない」
6/21付

「原子力は、日本の基幹電源であり、生命線であるだけでなく世界が必要としているエネルギーでもある。原子力発電を論じる際には世界の諸情勢を展望して判断する見識が枢要だ。原発が15基しか動いていないにもかかわらず、幸い大停電は起きていない。だから「原発はなくても済む」という意見もあるが、それは違う。不便を耐え忍ぶ国民と企業の努力によって維持されているだけだ。できるだけ早く再稼働させなくてはならない」
8/6付

「(北海道)泊原発3号機の営業運転再開を契機に、停止中の他原発についても早期再稼働に方針を転換し、日本経済を支える電力の確保に全力をあげねばならない。厳しい暑さが続く中で電力不足は全国規模に広がっている。電力供給の約3割をまかなう原発の再稼働は、震災からの復興にとっても喫緊の課題だ。菅氏に代わる新首相は、電力安定供給の観点からも原発再稼働に向けた確固たる指導力を発揮すべきだ」
8/18付

「高速増殖炉は、国の原子力政策の基盤をなす核燃料サイクルの要の一つとして存続が欠かせない。高速増殖炉は、燃やしたよりも多くの燃料を生む夢の原子炉だ。エネルギー輸入国の日本にとって実用化の意義は極めて大きい。福島事故で原子力の環境は一変したが、長期的な国益を見失ってはならない。高速増殖炉の開発撤退などの事態は何としても避けるべきだ」
11/20付


<経済面で他の国に追い抜かれちゃいますよ>

「わが国の原子力政策は今、岐路に立っている。ムードに流され、脱原発に進めば、アジアでの日本の地盤沈下は決定的となる」
5/13付

「原発は日本の電力需要の約3割を賄っており、全面停止となった場合の日本経済への影響は計り知れない。震災復興にブレーキをかけ、国際的な産業競争力を失いかねぬ事態は、何としても回避すべきだ」
6/12付


<産業が空洞化して雇用が悪化しますよ>

「定期検査後に運転再開不能の状態が続けば、来年5月までに国内の全原発が停止してしまう。計画停電の日常化も懸念される。国民生活や産業経済活動への負の作用は計り知れない。九州電力が一般市民を装ったやらせメールを送らせていたのは問題だ。だが、このことを再稼働先送りの材料としてはならない」
7/8付

「野田内閣が優先して取り組むべき課題は、急速に進む日本経済の空洞化の阻止である。特に「脱原発」路線が招いた電力不足への対応や、超円高対策が急務だ。電力不足が景気回復の足を引っ張り、企業の海外移転を進めてしまってはならない」
9/3付

「日本のエネルギー政策の中長期的な指針となる「エネルギー基本計画」の見直しに、経済産業省が着手する。原発事故を受け、原子力発電の目標を引き下げる方針だが、まずは国を支える電力の安定供給のための具体策をはっきり示してほしい。それには、安易な「脱原発」は許されない。野田政権は原発再稼働安全性をより高めた原発開発を含め、総合的なエネルギー政策を打ち出す責務がある。電力不足を放置することは、産業の空洞化に拍車をかけることにもつながる。日本経済の弱体化はさらに進んでしまう。原発再稼働は喫緊の課題である」
10/3付 

「原発の新増設は一段と条件が厳しくなり、このままでは、長年にわたって原発を受け入れ、支えてきた地元自治体の経済や雇用にも影が差しかねない。避難区域の設定で安全に余裕を持たせることは必要だが、今回の原発事故の引き金が、千年に1回とされる大津波であったことも忘れてはならないことである」
10/22付

「政府は今冬の電力供給が厳しくなる関西電力と九州電力管内に節電を求めたが、電力不足の状況は続く。産業空洞化にも拍車がかかってしまう。野田政権は政府の責任を自覚し、原発再稼働を主導しなければならない。今冬は何とか乗り切れても、来夏の電力供給の見通しは立っていない。企業や家庭に協力と忍耐を求める節電は、あくまで緊急避難で、抜本対策としては当面、原発が必要なことは明白だ。日本経済を活性化させ震災からの復興を成し遂げるためにも、政府はできるだけ早く原発の安全を確認し、再稼働に結びつけてほしい」
11/4付


<原発で作る電力は安いよ>

「原子力発電の特長は、安い電気を安定的に生産・供給する力があることだ。福島事故とそのあおりで、日本国内の原発は3分の2が停止している。各電力会社は火力発電の量を増やして代替しているため、燃料代がかさんでいる
6/8付

「政府の「第三者委員会」の報告書は、リストラをしたとしても、電気料金の値上げは避けられないともいっている。しかし、利用者にツケを押しつける安易なやり方はやはり許されない。値上げに走らない経営努力を重ねることこそ、東電の生き残る道である。そのためにも、政府は安全性を確認できた原発の再稼働を進めなくてはならない。報告書は、柏崎刈羽原発が再稼働せず、料金値上げもしない場合、8兆円超の資金が不足し、債務超過に転落すると試算している。代替の火力発電に原油や天然ガスの燃料代がかさむためだ。これに対し、原発を再稼働させれば、値上げなしでも債務超過に陥らないで済むという。東電は賠償支払いを円滑に進めるとともに、電力を安定供給する使命を負っている。原発の再稼働は、政府の責務でもある
10/5付


<原発はCO2の削減に有効だよ>

「民主党政権が世界に公約した温室効果ガスの25%削減はどうするのか。年限は2020年だ。景気を低迷させ経済を失速させれば達成できるだろうが、それは日本の「不幸」である」
5/13付


<原発稼動は国と住民との契約ですから>

「浜岡原発は東海地震の想定震源域に立地する。しかし、こうした立地上の特異性は以前から指摘されていたことで、東日本大震災後に新たに差し迫った危険が生じたわけではない。国と電力会社と住民は、これらを十分に理解したうえで、安全な運転について合意してきた。(菅総理による)運転停止要請はあまりにも突然で、これまでの合意形成の経緯をも否定するものになりかねない」
5/7付


<諸外国にもっと原発の良さを知ってもらってどんどん輸出しよう!>

「福島第一原発の事故を引き金に欧州の一部で原発離れの潮流が勢いを増しつつある。各国の意思は尊重したいが、正しい選択なのだろうか。持続可能なエネルギー政策であるのかどうか冷静な見極めが必要だ。感性に流れる選択よりも、理性に基づく判断が必要だ。安全性を再確立して範を世界に垂れ、脱原発の流れを食い止めるのは、事故を起こした国として日本が国際社会に果たすべき責務であろう。このままだと日本は、諸外国の目に脱原発路線と映る。それが第4、第5のドイツ、イタリアを生みかねない。脱原発の電力不足は火力発電に委ねられ、原油や天然ガスの価格高騰を招く。エネルギー不足とコスト高は日本経済、ひいては世界経済にも悪影響を与えかねないのである」
6/15

「定期検査後の原発は、国による安全性の確認を経て運転を再開できると法律に定められている。それが通用しない状況は、諸外国にとって理解不能と映るだろう。日本の原発の安定的な運転継続は、事故国として、世界の原発利用国に対する責務でもある。(各種の安全対策後も)自治体の長の多くが原発の再稼働に背を向ける姿勢はいかがなものか」
6/21付

「今回の事故をきっかけに、ドイツやスイス、イタリアは脱原発の道を選んだ。だが、大多数の原発保有国は原発支持を変えていない。エネルギーの安定供給力の大きさを認識しているからである。急増する世界の人口を支えるためには膨大なエネルギーが必要だ。(日本は)少数国の原発離れに目を奪われて、世界全体のエネルギー潮流に逆行しようとしている。世界では原発は増えていく。その安全技術を高めていくのは、事故で世界に迷惑をかけた日本の重要な義務であろう。IAEAによって示された原発の安全性強化策の実行の先頭に立つのも日本の役割だ。そのための第一歩は、国内原発の早期再稼働にほかならない」
6/27付

「世界の人口は間もなく70億人を突破する勢いで、新興国、途上国がいかにエネルギーを確保するかが課題となっている。日本の原発を輸出することは日本の経済成長だけでなく、世界に対する貢献にもなる
7/23付

「人口が急増し成長著しい新興国などでは、今後も旺盛な電力需要が予想される。福島第一原発の事故後も日本の高い技術力に対する期待は根強い
7/28付

資源小国の日本が、衝動的な脱原発に駆られるのは問題だ。産業の海外移転に拍車がかかり、工業生産や経済活動が停滞する。アジアにおける国際的地位さえ、危うくなるだろう。ドイツやスイスなど欧州の一部の国は福島事故を契機に原発廃止を決めたが、むしろ世界の趨勢は長期かつ安定した発電が可能な原子力の有効利用に進んでいる。日本は原子炉の製造や運転管理の両面で世界の最高水準の技術を有している。この知的蓄積をさらに発展、継承し、増え続ける途上国の原発に生かすことこそ日本の責務だ。優れた原発を提供することで、日本の安全技術をさらに高めるというフィードバックを機能させてゆきたい。今回の事故から可能な限りの教訓を学び取り、「世界一安全」と胸を張れる原発をめざそう
8/6付


<なぜなら原発推進は「民意」ですから>

「今回の合同世論調査では「今後、原子力発電所をどうすべきか」との問いに対し、「すべてなくすべきだ」とする原発全廃論はわずか12・6%だった。前回調査(4月23、24日実施)より2・1ポイント増えてはいるが、非現実的と言われる完全な「脱原発」について、世論は慎重な姿勢を示していることが分かった
5/30付 世論調査

「さきの青森県知事選では、原発新設を条件付きで容認する現職を自民党などが推し、民主推薦候補らに大差で勝利した。安全性が確保されれば原子力政策の推進を受け入れる民意が示されたといえよう」
6/17付


<番外編。社会部編集委員・安藤慶太の脳内闘争>

「福島第一原発の事故を機に「原発はこりごりだ」「十分な安全対策を講じなかったのは許せない」と感じている国民は今、多い。だが、一方で電力は貴重な国力源でもある。このことを頭から忘れた批判があまりに多すぎないか。仮にわが国で今回起こった事態を想定した対策があらかじめ打ち出されていたらどうなっていただろうか。恐らく「それ見たことか」「やっぱり危険だ」と反原発団体が一斉に騒ぎ「政府が危険性を認めた」とメディアの総攻撃にあっていたに違いない」
6/8付「from Editor」

「とりわけ、知識人や文化人の間から「反原発」「脱原発」発言が相次いでいる。進歩的な文化人と呼ばれる方々やかつての左翼護憲勢力などが息を吹き返したように元気になっている。こうした人たちの言っていることは威勢はいいが全く新味がない。止めた後、どうするつもりなのか、国家としてどう生きていくつもりなのか。多くはそうしたことが素通りなのである。日本人の核アレルギーに乗じて、失地回復を図っているような言論が多いと思えてならない」
「原発が危険なことは思い知らされた。けれども、今の暮らしを維持し、国力を維持するには当面、原発は不可欠であり必要である。原発をめぐるメディアや言論空間に蔓延するいびつかつ潔癖かつ執拗かつ恣意的な病が健全な議論を阻んできたのである。エモーショナルな判断に流されてはいけない」

6/26付「安藤慶太が斬る」

「確かに福島の事故の事実は重いが、直線的な原発否定、反原発の論調ばかりが目立つあり方はいかがなものなのだろうか」
9/1付「from Editor」

「懸念されるのは、「原子力にはリスクがある」との発言もある旧社会党出身の鉢呂吉雄氏が原子力政策を担当する経済産業相に就任したことだ」
9/3付 (直接的に氏の筆になるものとの確証はないけれど、文字面的にたぶんそうなので。)

01_2

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いかがでしたでしょうか。
「国内原発の早期再稼働」「国内原発の早期再稼働」「国内原発の早期再稼働」・・・
・・・この一点突破力、すさまじいですねえ。悲痛な心の叫びのようにも聞こえますが。

「直線的な原発否定、反原発の論調ばかりが目立つあり方はいかがなものなのだろうか」
とおっしゃりますけれど、
反対にどうしてここまで「反・反原発」を押し通すのか、
こだわるのには裏に何かのっぴきならない理由でもあるのではないか、
そう勘繰ってしまいたくもなりますね、ここまで言われると。

そういえば原発の輸出に関しては、先日の新聞でもとある政権与党議員の話として、
「うち(日本)が輸出しなければ別の国が名乗りをあげるだけ。別の国がやるのならわが国のほうがまだ安全だ」
みたいな報道があって唖然とさせられました。
いわゆる「チャイナ・シンドローム」一歩手前の事故を起こしておきながらうちのほうがまだ安全だなんて、
政治家さんは何を考えているんでしょうか。
事故を教訓にするなら、上の産経の記事のように「より一層安全な原発を作る」のではなく、
「原発の必要ない世界を作るために諸外国に積極的に働きかける」のがスジだと思うのですが・・・。

明らかに日本の原発行政は曲がり角にさしかかっています。
十字路の真ん中で立ちすくんでいる、と言ったほうがいいかもしれません。
今まで6回にわたり紹介してきたような方々の後押しをしてこの十字路を断固として直進するのか、
あるいは狭くて曲がりくねっていて見通しは悪いかもしれないけれど別の道を選択するか。

「原発からあふれ出ようとしている膨大な核のゴミをどうするのか。夢の中にとどまって現実から目をそらすという選択肢はない。夢から覚めて繁栄の後始末に立ち向かうしかない」
11/28付 毎日新聞「風知草」

「ピンチはチャンス。目先のことに惑わされず、国家百年の計を立てたほうがいい。10年我慢すれば必ず、日本人はエネルギー問題で世界全体に貢献するようになれる。われわれはそれだけの潜在力をもっている。そう信じて未来にむけて頑張れる日本人になるか。『電気がないから恐いけど原発』という臆病な発展性のない日本人になるか。分別するときだ」
歴史学者・磯田道史氏

まったくそのとおりだと思います。
その10年をこの国は停滞ととらえるか、次の100年への布石ととらえるか。

思想家の内田樹先生が、先日ツイッターで次のようにつぶやいておられました。

経済的な停滞というのは、メディアがヒステリックに語るような退嬰的な現象であるのではなく、「市場への抵抗」のあらわれではないかという気がします。モノは要らない。消費にも欲望を感じない。神経症的な経済競争にも興味がない。自然と調和した穏やかな暮らしがしたい。そういう人たちがバブルのときのような狂騒的な消費活動がまた始まることにうんざりして、ささやかな抵抗を試みている。その結果としての「いわゆる」経済活動が停滞している。その一方で、GDPではとらえられないかたちでの贈与や互酬のシステムはゆっくり形成され始めている。僕にはそんな感じがします。

これは原発云々というよりもむしろ昨今のTPP論議を念頭においたつぶやきだと思われますが、
上の産経の「絶対的経済至上主義」な記事たちへの明瞭なアンチテーゼになっていないでしょうか。
ぼんやりと感じていたことをものの見事に集約してくれていると思います。

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最後に、国民投票により脱原発を選択したヨーロッパの国の一般住民の声から。
これが、とても素朴だけれども僕にはすごく説得力があって、よく思い出す。曰く・・・。

日本のような国でさえ管理できなかったのに、ゴミ問題さえ管理できないわれわれに原発はムリ
6/14 ローマ市民、女性。テレビニュースにて。

もちろん自国のゴミの路上放置問題を引き合いに出して
原発の放射性廃棄物の管理の絶望的難しさを表現しているわけです。
確かに自虐的だけれども、日本よりよっぽど現実的だと思いませんか?

このシリーズ、長きにわたってお付き合いいただきありがとうございました。
この大きな問題についてはまた折に触れて記事にしていきたいと思っております。
はあ、疲れた。

ではでは、またまた

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2011年11月12日 (土)

原発推進論者たちの「理」 (5) - 読売新聞篇

いいかげんしつこいと怒られそうですが、このシリーズもそろそろ打ち止めなのでお許しを。
今回と次回は、この期に及んで「それでも原発は必要です」
というアピールを一貫してなさっている大手新聞社二社の主張を取り上げます。

今回の目を覆いたくなるような原発事故により、さまざまなメディアが国の原発政策への疑問を呈しはじめている昨今。
大手新聞社のいくつかもすでに原発推進に対して明確にノーを突きつけようとしています。

インターネット等の普及によって年々購読者数は落ちてきているとはいえ、腐っても新聞、というわけで、
その影響力は、(特に年齢が上になればなるほど)まだまだ巨大なものを持っているものと思われます。
さてその記事、特にその社のスタンスを明確にマニフェスト(表明)しているに違いない社説の中から、
これからのエネルギー政策として何が何でも原発を、という明確で説得力のある「理」を見出すことができるでしょうか。

まずは稀にみる才能と良識を有する主筆を擁しつつ、
ロシアの「プラウダ」紙を抜いて世界中でもっとも購読者数が多いと謳われているわれらが読売新聞社の社説から。

例によって恣意的に文章から抜粋していきますので、気になる方は実際に原文に当たっていただければ幸いです。
抜粋箇所は恣意的ですが、その内容を改変するようなことはしていないつもりですのでご理解ください。
リンク切れの場合はご容赦を。

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エネルギー安全保障地球温暖化対策の観点からも、原発は安全に管理する限り、電力供給で重要な位置を占め続けよう」
3/29付


資源小国の日本が経済力を維持し、復興に確かな道筋をつけるためには、やはり、原発の安全性を高めて活用していくことが現実的な選択である。世界各国は、二酸化炭素の排出量を減らす地球温暖化対策も迫られている。その点で原発はなお、有力なエネルギー源と言える」
5/27付

深刻な電力不足が予想される中で、脱原子力発電の“看板”だけを掲げるのは無責任だ。自然エネルギーの普及は促進すべきだが、現時点では総電力の1%にとどまり、発電量は天候などで変動する。コストも高い。量と価格の両面で難題を抱えており、近い将来、原発に代わる基幹電力の役割を担えるほど見通しは甘くない。安全確保を徹底しつつ、原発利用を続けることが、経済の衰退を防ぐためには欠かせない。代替電力の展望もないまま原発からの脱却ばかりを強調するのは、あまりにも非現実的だ」
7/14付


電力の安定供給には定期検査で停止中の原発の再稼働が急務」
8/16付


「(高橋はるみ北海道知事が泊原発再稼動を)決断したのは妥当である」
「政府は、ストレステストを早急に実施することで原発の安全性を確認し、地元自治体の理解を求めるべきだ。原発を再稼働させて電力危機を回避する責任がある」

8/18付


「チェルノブイリ原発事故の際もセシウムが土壌中などで検出されたが、セシウムによる健康被害はなかったと、国際機関が報告をまとめている。政府は、消費者が過剰反応することのないようコメの安全性の科学的根拠について分かりやすく説明する必要がある。消費者も冷静な対応を心がけてほしい」
8/19付


「放射線は大量に受けると人体に悪影響が及ぶ。危険な印象もあるが、使いようによっては、レントゲンやがん治療など役に立っている例もある。宇宙や大地などからの放射線もあり、人は日常的にある程度の放射線を浴びている
「(中学校の授業において)原発の安全確保の重要性について考えさせる機会も作ってもらいたい」

8/20付


「今回の電力制限は、電力不足が経済活動を大きく制約することを改めて裏付けた。電力供給への不安から、企業が生産拠点を海外移転させる動きも出ている。空洞化が加速し、雇用の減少に波及しないか心配だ。原発の再稼働は、産業空洞化を防ぎ、日本経済が震災から本格的に立ち直る必要条件である」
9/2付


「エネルギーの安定供給は、豊かな国民生活の維持に不可欠である。この際、(菅直人)前首相の安易な「脱原発」に決別すべきだ」
「日本が脱原発に向かうとすれば、原子力技術の衰退は避けられない。蓄積した高い技術と原発事故の教訓を、より安全な原子炉の開発などに活用していくことこそ、日本の責務と言えよう。高性能で安全な原発を今後も新設していく、という選択肢を排除すべきではない」
「日本は原子力の平和利用を通じて核拡散防止条約(NPT)体制の強化に努め、核兵器の材料になり得るプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実である」

9/7付


「定期検査で停止している原子力発電所の再稼働を急ぐ必要もある。安全性を確保することは無論、重要だが、いたずらに再稼働を遅らせるべきではなかろう。明確な展望を欠いた「脱原発依存」ではなく、安定的な電力供給を実現するエネルギー戦略の再構築が求められる」
9/13付


「野田首相が原発事故の早期収束と、原子力の安全利用を国際公約として表明した。原子力の平和利用の先頭に立ってきた日本としては、現実的かつ妥当な判断である」
9/24付


「日本の成長戦略を推進するうえで、原発などインフラの輸出は重要だ」
10/24付


「日本では、福島第一原発のような津波災害について、すでに政府が、浸水防止策の強化といった緊急安全対策を取るよう各原発に指示し、対応が進んでいる。当面の安全対策としては、これで十分とする専門家は多い」
10/29付


「南シナ海沿岸部に建設される原発2基を日本企業が受注する。日本の官民の技術力を結集し、原発の安全性向上に努めて、ベトナム側の期待に応えることが求められる。ベトナムでの原発の運転、保守管理や、技術者の育成にも中長期的に協力していく必要がある
11/1付


経団連の調査で6割の企業が、電力不足が今後2~3年続いた場合、国内の生産を縮小・停止すると答えた。電力不足は、景気悪化や産業空洞化などで経済に打撃を与える。安全を確認できた原発から再稼働を急ぐ必要がある。無論、安全性の確認は大切だが、稼働中でも点検は可能だろう。政府が再稼働の判断を先送りする口実としてはならない」
11/3付


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さて、いかがでしたでしょうか。

一説には読売の社説は今でも主筆(渡辺恒雄氏)が手がけている、などとまことしやかに言われていますね(ほんとかな)。
発行部数は一時1,000万部を誇り
、世界最多の読者を持つといわれる新聞の社説がご覧のありさま。
単純計算すると毎朝12人に一人くらいの方がこの社説を読んでいることになりますね
(ひとりだけが読むとは限らないので実際はもっとでしょうね)。
これを読みつつ腕組みしながら「うんうん、まったくそのとおり」と独りごちているお父さんの姿が目に浮かびます。
うん、なんか恐ろしい。

読者欄とかなんとか、他のコーナーはいったいどういう論調になってるんでしょうか、このメディアは。
もしかして全部が全部この調子なわけではないんでしょうね。
逆に興味あるな。
いっそのこと購読してみようかな(ちなみにわが家は毎日新聞です、今のところ)。

というわけで、次回は当然ながら産経新聞をとりあげないわけにはいきますまい。
公平に言って、今回取り上げた読売新聞の3倍はラディカルな論調といえます。
乞うご期待(?)です。

ではでは、またまた

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2011年10月23日 (日)

福島のスケッチ

先々週だったか、福島方面に娘と旅行したのにはワケがある。
この時期わざわざそんなところに子供連れてくなんてと言われたけれど、テレビや親同士の会話なんかで無意識裏に刷り込まれているであろう福島という土地に対する負の先入観を今のうちに変えておいてほしかったから。
そして、もちろん僕自身の先入観も。

01

当たり前だけれど福島では福島ナンバーの自動車があふれ、ここと同じように渋滞し、休日のためか店舗には人があふれかえっていた。
車のナンバーをずっと気にしていたけれど、やはり福島ナンバー以外の乗用車を見ることは非常にまれだった。

昼間見た田んぼの稲はあらかた刈り取られていたけれど、収穫した米が世の中に流通できるものかどうか、それは僕にはよく分からない。できたとしても、去年までと同じように市場に歓迎されるかどうか。
ただ、おそらくはこのなんとも屈託のない美しい土地に、すでにいくばくかの汚染物質は静かに沈着して
いるのだろうとの想像が運転疲れのぼんやりとした頭をめぐる。

さすがに浜通りまでは足をのばさなかったけれど、会津のおしゃれなイタリアンレストランでは自慢の福島牛を使用したメニューが堂々と並べられていて頼もしかったし、隣に座った若いカップルは仕事上の他愛ない話を延々と繰り広げていた。
ここでは「日常」を謳歌する素敵な雰囲気がごく自然に漂っているのを感じた。

08_3  09_2 

宿泊地のペンションのオーナーとも二言三言話をしたけれど、お互いに気兼ねがあるせいか原発事故に関する話題はいっさい出なかった。オーナー夫婦がどういう思いで今も、そしてこれからもこの福島という土地で宿泊施設を経営されてゆくのか、興味がなかったわけではないのだけれど。 

次の日は朝から裏磐梯の五色沼を観光した。福島県の観光地だ、閑古鳥が鳴くかと思われたがあにはからんや、駐車場は車でいっぱい。お年寄りから子どもまで、たくさんの人で溢れていた。
ものすごく嬉しかったし、それはきっとそこにいる誰しもそうだったろう。行きかう人たちとこんにちはを言い合った。

10_2

みんな大地震や原発事故などなかったのだというように湖水のまわりを散策し、カメラを構え、子どもらの嬌声が遠くのほうからこだましてくる。おそらく震災前とまったく変わらぬ風景がそこにはあった。

おそらく、よその国の人からしたら「Fukushima」で今こんなふうにのんびりとした風景が奏でられているのだと信じることは難しいかもしれない。
いや、かく言う自分だってそうだった。

03 04   

甚大な被害をもたらした今回の原発の放射能漏れ事故によって福島を離れた人たちが大ぜいいることは聞いているし、それに対して非難がましいことを言える筋合いではまったくないし、僕だってできれば特に子どもたちにはできるだけ安全な場所に避難してくれるに越したことはないと思う。
でもだからといって、その土地にとどまる人たちの重い決断を、軽々に論じたてることは厳に慎むべきだということをすごく感じた。たった2日間の旅だったけれど。

娘は、「ここって福島だよねぇ」と少し不安そうではあったけれど、ほとんど素通りするだけのようなこの土地に、おまえと同じくらいの年ごろの子たちが現に大ぜい暮らしているのだし、そういう場所や人たちに対してほんの少しでも偏見を抱いてはいけないよ、と諭すと静かにうなずいていた。

05
ひっきりなしにおしゃべりする娘に、「しーっ・・・」。
すると、今まで饒舌だったまわりの景色が一斉に静まり、
ぞわ、と風が吹いて何かが鳥のようにいっせいに飛び立った。
背筋が寒くなった


放射能は確かに怖い。目に見えないという点が余計に恐怖心をかき立てもする。
でも、人間どうしがそれを真ん中にして差別したり卑屈になったりする、そのほうがもっと怖いし、いやだ。
僕らはもっと福島に対して自然に手を差し伸べるべきだし、福島の人たちも自分たちのおかれた立場や苦しみ、あるいは何気ない楽しみや喜びを別の場所に住む人たちに発信し続けてほしいのです。

06

うーむ。実際はもっといろんなことを感じたのだったけれど。なんだろう、この隔靴掻痒感。
この件を記事にするにあたり、実際その場で感じたことの半分も文字にすることができないもどかしさをすごく感ます。

ではでは、またまた

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本日の一枚

07

その五色沼の散策路にて。
リンゴドクガ、文一の『イモムシハンドブック』の表紙のケムシ。
なんという色彩、ほとんど戦国時代のバサラ者に匹敵する傾(かぶ)
きよう。

娘が見つけた。くやしかった。

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2011年10月13日 (木)

原発推進論者たちの「理」 (4)

さてさて、前回の記事から早くもひと月近くたってしまいました。
その間に原発関連ではさまざまな動きがありましたね。

肝心の福島第一原発の収束状況は(一応は)逐一伝えられておりましたが、
とりあえず「年内の冷温停止」に向けて一定のメドがついたとの報道が。
一方で、核燃料が溶け落ちてしまっている現在、
そもそも「冷温停止」などという専門用語には何の意味もないと語る方もいらっしゃいます
(「小出裕章が語る、政府の「冷温停止宣言」の間違い

そんな中、停止中の浜岡原発を「永久に停止すべき」と決議した
原発10キロ圏内の牧之原市議会の英断には、素直に拍手を送りたい。

また脱原発を綱領の柱に掲げた「緑の党」を人類学者の中沢新一氏が11月にも立ち上げ、などの希望の持てるニュースも
(ただし中沢センセイの政治センスははなはだ未知数ですが。そもそも政治に興味あんのかな)。

一方、高濃度の放射性廃棄物はすでにドラム缶約4700本分に達し、今後も増え続ける見通し。
汚染された瓦礫なども処理のメドは立たず、最終的な処分方法はまったくの未定。
それにもかかわらず野田首相は9月の国連演説で原発輸出に前向きな姿勢を表明する
(帰国後に「そんなことは言っていない」と修正)など、
「なんだかなあ」な状況は続いております(東京新聞 社説 9/24)。

また、事故を起こした当事者の東電は補償問題について、
(簡単にいえば)大規模なリストラに応じますので許してネ、その代わり電気料金は大幅に値上げさせていただきますよ、
あと柏崎刈羽などの停止中の原発もなるはやで稼動させてくださいね、
さもないと電力の安定的な供給は保証の限りではありませんよ、
いいんですね、とさかんに脅しをかけてきています。

肝心の一時国有化による資産凍結、発送電分離、総括原価方式や地域独占のあり方の見直し、
などの議論はほとんど進んでいないという体たらく。
頼みの綱の政府の第三者機関「東京電力に関する経営・財務調査委員会」は
東電の要求をなぜだかそっくりそのまま丸呑み

ちなみに某Y売新聞の「なんちゃって世論調査」には
定期検査で運転停止中の原子力発電所の再稼働を進める首相の方針を
  評価する  48%
  評価しない 39%

などと掲載されております。トホホ・・・

秋の深まりとともにますます混迷の度合いも深まってゆく今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。

・・・つうことで今回は、
原発の「専門家」ではなくいわゆる「原子力ムラ」からは距離のある場所にいると思われる、
「識者・評論家・文化人」等々と呼ばれる人たちの原発推進・擁護・容認発言から拾ってみました。

例によってリンク切れはご容赦を。

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「火力を増やすとコストが上がり、CO2も増えます。水力はダムと自然破壊の問題、そしてコストパフォーマンスの問題があります。 再生可能エネルギー、例えば太陽熱や地熱、風力発電ですと、発電効率や、コストと安定性に問題が出てしまいます。 だからといって、それでは、想定外のリスクについて、原子力のリスクの大きさが本当に許容範囲かどうか、それは人によって感受性が違いますので、 許容すべきと言い切れないでしょう。しかし、だからといって、全否定をしても、何も進まないと思います」
3/12 勝間和代(経済評論家)


「さて問題の原発事故ですが、私の見解は一言、「これだけの、有史以来最大の大地震、大津波でよくぞこれだけ持ちこたえてくれた」というものです。車は安全ではありませんが必要です。同じように原発は安全ではありませんが必要です
3/21 大槻義彦・早稲田大学名誉教授

「浜岡原発が危ないということが何故菅直人にわかるのか。これは反原発、反核運動だ。日本の弱体化だ」
5/6 田母神俊雄・元航空幕僚長


「動物にない人間だけの特性は前へ前へと発達すること。技術や頭脳は高度になることはあっても、元に戻ったり、退歩することはあり得ない。原発をやめてしまえば新たな核技術もその成果も何もなくなってしまう。今のところ、事故を防ぐ技術を発達させるしかない」
吉本隆明(思想家) 5/27 毎日新聞夕刊

「原発を完全に止めておくだけでも膨大なコストがかかるのです。そのために必要な電力は、ほかのエネルギー源を使って供給せざるをえません。当面は火力発電への依存を高めるしかないでしょうから、原油価格は高騰し、電力会社の経営コストも上昇します。そのコストは電気代に上乗せされ、国民生活や産業が大打撃を受けることは目に見えています。”電気代が10倍になってもいいから、原発を止めるべきだ”と覚悟している人は、おそらく多くはないでしょう
苫米地英人(脳機能学者) 5/30発売 『日本の盲点』より

原子力は相対的には安全で環境負荷も小さく、イノベーションの余地がもっとも大きい」
(再生可能エネルギーが)原子力の代わりになるというのは幻想だ。向こう20年は補助金なしで自立できないエネルギーであり、電力コストを上げる要因になる」
放射性廃棄物の問題は、技術的には解決可能である。経産省もモンゴルで進めている。最大の障害は政治的(感情的)な反対だ」
原発より安いエネルギーがあるなら、安全だろうとなかろうと原発は必要ない」

6/5 池田信夫(経済学者) 自身のブログより


「(私は)浜岡原発の近くで生まれ、嫌悪感も理解しますが「現代の社会構造、生活スタイルにおいて、原発の発電効率はやはり魅力的だ」と申し上げたい。「人は失敗から学ぶ」ことのできる生物であり、一度の失敗で「未来永劫、封印すべし!」という判断は短絡的だと感じます」 池谷裕二・東京大学大学院教授(薬学)
「原発部分を自然エネルギーに頼れというのは机上の理論。実際には多くの制約あり。原子力の継続利用か生活・産業レベルの大幅引き下げかどちらかしかない。原発は更に安全なものが作れるだろう」 岡本行夫(外交評論家)
(『週刊現代』「原発やめますか、続けますか 史上空前の大アンケート」 6/14 より

「日本が脱原発を推し進めても、そうしなくても、見渡せば周囲には原発が林立しているという状況に迫っていくことだけは間違いがありません。アジアで福島第一のような事態が起こったなら、その影響は必ず日本に波及します。今、福島が世界を凍りつかせているのと逆のことが起こります。そう考えると、日本だけが脱原発をしても、意味がありません
6/16 寺島実郎・日本総合研究所理事長

「私も原発は危険であり、脱原発が望ましいとは考えている。だが、脱原発をして、それに代わるエネルギー源を一体どうするつもりなのか。 いまや、そんなことを考えるのは不純だとする風潮が高まっている。多くのメディアもそれに同調している。脱原発を言わない人間は、電力業界から何がしかをつかまされているのではないかと疑われる始末だ。私はヘソ曲がりな人間なので、この有無を言わせない「純粋の怒濤」に、批判を承知であえてブレーキをかけたい。原発反対の政党がなかったときに、原発推進にブレーキをかけたように、である」
田原総一朗(ジャーナリスト) 7/1号『週間朝日』「田原総一朗のギロン堂」より

「核をつくる技術が外交的強さにつながる。原発の技術は軍事面でも大きな意味を持つ
「原発を忌避するのではなく、二度と事故を起こさないようにする姿勢こそ必要

7/14 櫻井よしこ(ジャーナリスト)


国家の自主独立には核武装とエネルギー自給が不可欠
7/22 西部邁(評論家) 『表現者』37号

「原発をやめる、という選択は考えられない。原子力の問題は、原理的には人間の皮膚や硬いものを透過する放射線を産業利用するまでに科学が発達を遂げてしまった、という点にある。燃料としては桁違いに安いが、そのかわり、使い方を間違えると大変な危険を伴う。しかし、発達してしまった科学を後戻りさせるという選択はあり得ない。それは、人類をやめろ、というのと同じです。だから危険な場所まで科学を発達させたことを人類の知恵が生み出した原罪と考えて、科学者と現場スタッフの知恵を集め、お金をかけて完璧な防禦装置をつくる以外に方法はない」
吉本隆明(思想家) 8/6 日経新聞「8・15からの眼差し


「低濃縮プルサーマル、トリウムを使った新型原発のいずれでも日本人なら正しく制御でき、化石エネルギーに代わるエネルギー供給源になる」 高山正之(ジャーナリスト)
反原発は我が国の核武装を封じようとする反核運動でもある。“原発は危険”という認識は“第2の(誤った)歴史認識”だ」 田母神俊雄・元航空幕僚長
「千年に一度の大震災でも住民に一人の死者も出ていない。安全性を根拠に廃炉を主張するのは論理的ではない。原発を維持して電力エネルギー源の多角化を図ることは、特定の国に支配されないための基本条件。原発を停止すれば、多くの企業が海外に生産拠点を移し、大量の失業者が発生し、国力弱体化につながる」 藤岡信勝(教育学者)
(以上8/7付 NEWSポストセブンによる)

「原発事業は現在・将来にわたつて堅持すべきである。(なぜなら)原子力による産業エネルギーの十分な確保が、一に国家の高度な安全保障にとつて、二に国民の総生産量の維持にとつて不可欠の要請だからである」
「原子力の完全な管理を通じてのエネルギー問題の解決に成功する事、つまりエネルギーの補給を外国に仰ぐ必要がないといふ体制を整へる事こそ、我が国の民生の充実と繁栄の最大の条件であり、我が国にそれを可能にする科学技術水準の高さがあると認められる事が又、高い次元での安全保障の確立である。この様な目標意識と惜しみなき予算投入の覚悟を以て取り組むならば、日本に於ける原子力発電の未来は必ず明るい」

小堀桂一郎・東京大学名誉教授(比較文学)
(以上8/7付 NEWSポストセブンによる)

原発は現時点では最もクリーンなエネルギー。今回の事故を教訓にして細心の安全装置を研究開発し、原発を存続させる」 金美齢(評論家)
世界一安全な原発に改善し、日本への信頼性を再確立すべき。脱原発論には、コスト、産業への影響、安全保障の弱体化(原発放棄は核武装の可能性放棄)をどうするかという全体像が欠落している」 櫻井よしこ(ジャーナリスト)
(以上8/7付 NEWSポストセブンによる)


「核兵器への転用を含む原子力技術は日本が今後も世界に伍してやってゆくために不可欠。ただし、より徹底した安全対策が前提。プロ左翼によるイデオロギー的「反原子力」、それに対抗するおためごかし的宣伝という不幸な構造が、健全な原子力政策(いわば「正しく怖がる」ことのできる政策)を阻んできた」 長谷川三千子・埼玉大学名誉教授
現時点で原発に代わるものがない。M9クラスの地震を想定した耐震化を行なった上で継続すべき。自然エネルギーでは安定的な電力供給は不可能で、補完的なものと考えるべき」 三橋貴明(経済評論家)
産業の発展、成長のために原発は必要。ただし、稼働から30年以上経過した原発は廃炉とし、第4世代の新型炉に置き換えていく」 森本敏・拓殖大学大学院教授(国際政治)
(以上8/7付 NEWSポストセブンによる)


「石油ピークと称する石油の需要供給のアンバランスが、あと10年か20年後に迫ってきた。20年後の世界経済大恐慌、50年後のエネルギー取り合いによる世界戦争を防げるか・・・ 代替エネルギー源の実現なしに今動いている原発を止めては危険
8/9 海野和三郎(地球環境天文学者)


「僕は反原発の気持ちもすごく分かるし共感もするんですけれど、人間にそれが実際にできるとはあまり思っていないです。自然エネルギーをどんどん育てていくのはもちろんなんですけど、それでもまだ一枚足りない。そのために最後の必要悪として、原子力もしょうがないなって思うんですよね」
「実際問題として、原子力発電所で作られた電気を今まで散々使ってきましたからね。使った側は責任がないんだと口を噤んでいたのに、ここにきて事故が起きると手のひら返しをするという。それはマスコミも国民も、そんな単純なことでいいのかなと思いますね」

8/19 石田衣良(作家) テレビ朝日『報道ステーション』「原発 私はこう思う


「最近の原発原子力をめぐる議論を聞いていると、核をすべてアプリオリに邪悪なものと決めつける、「脱原発以外に道なし」論者が日本の多数派になりつつあるようだ。(彼らは)核は人間にコントロール不可能なものと思いこんでいる。フクシマがそれを証明したと思っている。しかし、フクシマで起きたことは、第一世代第二世代の古い原発にM9という未曾有の災害が襲いかかったときに起きたこと。いまの原発では、フクシマの悲劇の最大のもとになった水素爆発が絶対に起こらない(水素が発生したとたん融媒によって酸素と結合させられ、H2Oになってしまう)。フクシマの悲劇をもたらした全電源喪失メルトダウンも絶対起こらない(電源なしでも冷却継続)。いまの日本の原発論議は、驚くほど時代遅れの内容になっている
立花隆(評論家) 「写真で見るヒロシマ・ナガサキ、原発と原爆 ~綿塩読書日記~」(『週刊文春』 9/1号)

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ここで、前回に引き続いてまたまた特集コーナー
近ごろではもっぱらテレビで大人気、森永卓郎氏(経済アナリスト兼芸能人)。

「原発のスイッチを入れよ」・・・残された道はそれしかない。そうしなければ、日本経済の失速だけでなく、夏場に大規模停電が起きてエアコンが止まり、熱中症で亡くなる高齢者が続出する事態も起きかねない。私は今まで原発を必要悪として認めざるをえないものと考えてきた。しかし、日本経済の失速を防ぐためには、他の選択肢はない。原発の是非を考えるのは、当面の電力不足を乗り切ってからでよい」
(4/4 NEWSポストセブン

「将来日本の原発をどうするのかは、きちんと国民的な議論をして、コストと安全性のバランスを考えるべきだと思うが、当面は原発を動かす以外に電力供給を確保する方法がない。定期点検中の原子炉の再稼動を考えないといけない」
(6/14付『週刊現代』「原発やめますか、続けますか 史上空前の大アンケート」より

「(橋本徹大阪府知事は)脱原発を標榜し、浜岡の停止を「菅首相の大英断」と評価したが、大阪府民の生活を守るためには、むしろ福井県知事と原発の周辺住民に土下座して原発の稼働をお願いするのが府知事の仕事ではないか。運良くこの夏を乗り切れたとしても、その先にはさらに恐ろしい未来が待ち受けている」
(6/16 NEWSポストセブン

「日本の電気代はただでさえ高いのに、原発全廃でさらに高騰すれば、製造業は国際競争力を失い、国内に踏みとどまっていた工場の海外移転が加速する。失業率が上昇し、下請けの中小企業は倒産し、日本経済は坂道を転がり落ちていく。日本人全員がエアコンもパソコンもなかった昭和30年代の暮らしをする覚悟ができているなら構わない。それは牧歌的でもなんでもなく、貧困や不衛生、暗い街では治安も悪化するだろう。(日本人は)今までどれほど原発のメリットを享受してきたかに気づかず、いきなり全否定に回ってしまう」
(6/19 NEWSポストセブン

「(原発が)運転していようが停止していようが、原発事故の可能性は、ほとんど変わらない。リスクがさほど変わらないのであれば、原発を停止しておく意味はない。設備不稼動による固定費の無駄遣いと電力供給不足に拍車をかけるだけだ」
(7/5 日経BP 「復興ニッポン

「定期検査中の原発を再稼働させれば、無意味な節電努力は不要になるわけで、なぜ稼働させないのか私には不思議で仕方がない。浜岡原発は停めたから安心だと思っている人が多いが、原子炉内の燃料や使用済み燃料は冷やし続けなければならず、大津波で冷却用電源を喪失すれば福島第一と同じことになる。停めてもリスクはほとんど変わらないのだから動かした方が得
反原発派の人々は「昭和30年代に戻ればいい」というが、過去の時代は美しく見えるだけで、冷静に思い返せば決していいものではなかった。エアコンはもちろんなかったし、冷蔵庫は氷で冷やす方式だった。ビフテキは想像上の食べ物で、町は汚く、夏にはゴミが腐って悪臭を放ち、治安も決して良くはなかった。ろくな医療もなく、日本人の寿命は短かった。私はそんな時代に戻りたいとはまったく思わない

(7/27 NEWSポストセブン

「反原発ムードが国民に広がるなかで、運転再開に向けて動くのは、大変な汚れ役を引き受けることになる。それでも関係者が再稼動に向けて努力したのは、九州が電力危機に陥ってしまうからだ。菅総理が思いつきで打ち出したストレステストによって、電力不足問題は夏期の問題から冬期の問題に、そして東日本の問題から全国の問題に発展した。このままだと、菅総理の“最後の仕事”が、景気回復の芽を摘み取ることになるだろう
(8/9 日経BP「厳しい時代に「生き残る」には

「反原発派の中には、「原発の発電コストは決して安くない」と主張する人がいる。廃炉費用や使用済み燃料の処理コストが含まれておらず、福島の事故の補償費用が入れば跳ね上がると言う。そして原発メリットは虚構である以上、原発再稼働ではなく、再生可能エネルギーや火力で代替すべきと主張する。(しかし)廃炉費用や使用済み燃料の処理コストはキロワット当たり0.8円程度である。事故の補償費用にしても、キロワット当たり1~2円上がる程度だ。確かに原発のコストは上がるが、せいぜい火力と同程度である
(8/31 NEWSポストセブン

「急激に脱原発を進めると、国民にさらなる貧困と抑圧を与えることになる
「(今夏)15%の節電というのが、国民の多大な犠牲の上に達成されたことは、紛れもない事実だ。しかし、そこまでして、節電をする必要があったのか。つまり、そこまでして、原発を停止する必要があったのだろうか。原発を停止させたからといって、新たな事故のリスクは減るのか。冷温停止しているからと言って、安全だということは絶対に言えない。電源供給が絶たれれば冷温停止中であっても、水素爆発を起こすのだ。福島第一原子力発電所でも、爆発した4号機は冷温停止中だった。私は、核燃料を建屋のなかに抱えている限り、運転中でも、冷温停止中でも、リスクは大して違わないと思う。だったら、安全を確保したうえで動かしたほうがよい。それは電力供給の確保という理由からだけではない。原子力発電所には建設のために1000億円単位の莫大なコストがかかっている。もし、停止したままにしておくと、ムダな減価償却費が発生し、それが利用者の電気料金に跳ね返ってくるのだ。エネルギー経済研究所の推計では、原子力発電所の再稼働がままならず全停止になった場合は、家庭の電気料金が2割もアップするという。減価償却費がかかってくるうえに、燃料を割高な化石燃料に切り替えなければならなくなるからだ」
(脱原発派は)敵失によって生まれた原発事故をチャンスと捉え、一気に自分たちの目指す脱原発に、世の中を持っていこうとしているのではないだろうか。私は、そのやり方は、アンフェアだと思う。やたらと放射能の被害を叫んで、恐怖を煽ることは、判断を狂わせるし、何より被災地に大きな風評被害を与えることになる」

9/27 BLOGOS 「原発とどう向き合うのか


・・・例によって、つっこみはご自由に。

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最後に、これは本心かどうか僕自身はかなり怪しいと思っているんですが(いわゆる「釣り」というやつ?)、
いちおう「東電・原発擁護ソング」などと一部で話題になってもいたので。

仕事場へ僕を毎日運んでくれる電車を動かしていたものを
どうして僕は悪く言える?
夕飯の食卓を囲む大好きな人の顔を明るくてらしてくれたものを
どうして悪く言えるんだろう?
こんな豊かな毎日を今までくれてありがとうと一番先に言うべきなのに
まるで逆の事を言ってしまうんだ
壊れた原子炉よりも手に負えないのはきっと
当たり前という気持ちに汚染された僕らの心
ほら「有り難う」も言えない

槇原敬之「Appreciation」 (7月27日発売のアルバム『Heart to Heart』より)

上に挙げた石田衣良氏や森永タクロー氏の理屈ととてもよく似ていることに注意。

例の「銀河鉄道999ネタ」のときもそうでしたが、
この人の場合「社会性」からのひねくれを自分で演出しようという子供っぽい悪意を感じます。

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折りしも、首都圏でも放射能のホットスポットが続々と見つかっております。
特にショッキングなのが横浜市港北区でストロンチウムが検出されたとされる件(詳細は検査中)

それと世田谷区で2.7μSv/hというかなり高い数値の放射線量の場所が発見された件

恐らく、これらはたまたま発見されたというだけであって
実際はあちこちでこれと同列に扱われるべき事例が存在するものと思われます。
この国の放射能汚染はまだまだ始まったばかり、ということなのかもしれませんね。

一部には「もういいよ、その話は」的な無気力・無関心が拡がりつつあるように感じられるのですが、
そちらのほうが放射能汚染よりも恐れるべき事態なのかもしれないな、などと思ってしまいます。

ではでは、またまた

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本日の一枚

R0017650_2

浜辺に打ち上げられた40フィートコンテナ。
宮城県塩竃市・松島湾の桂島にて

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2011年9月17日 (土)

原発推進論者たちの「理」 (3)

前回の記事で、

   また賢明にも「将来的な原発ゼロ」を就任早々打ち出した
   鉢呂吉雄・経済産業相に対する経済界の態度表明も今後大いに注目されるところですネ

と書き記してからまだ一週間。

例の「死の町」発言だの記者への「放射能えんがちょ」言った言わない問題とか、
何だかなーな理由でもってとっとと自分からお辞めになってしまわれて、
福島県民は彼の「不適切な言動」に「心を傷つけ」られたとして首相は「深くおわび」したりしてます。

「死の町」と言ってしまった大臣が辞任して、
まさに「死の町」にしてしまった当の会社や当時の責任ある人たちはのうのうとのさばっているという・・・。

   所属・氏名不明「具体的にどう仰ったんですか?
     あなたね、国務大臣をお辞めになられる、その理由ぐらいきちんと説明しなさい」
   鉢呂「私も非公式の記者の皆さんとの懇談ということでございまして、その一つひとつに定かな記憶がありませんので」
   所属・氏名不明「定かな記憶がないのに辞めるんですか。
     定かな事だから辞めるんでしょう。きちんと説明ぐらいしなさい、最後ぐらい」
   鉢呂「私は国民の皆さん、福島県の皆さんに不信の念を抱かせた、こういうふうに考えて…」
   所属・氏名不明「何を言って不信を抱かせたか説明しろって言ってんだよ!」
   鉢呂「ですから、今、お話したとおりでございます」
   フリーランス田中龍作「そんなやくざ言葉やめなさいよ。記者でしょう。品位を持って質問してくださいよ」
   (2011/09/10 鉢呂経済産業大臣 辞任会見

結局、「オレが大臣の首を取った」みたいな記者クラブ的どーでもよさが色んなものに優先してしまって、
この国はおバカで低能な政治家のためにでは断じてなく、
むしろお気楽なマスコミとともに滅びの途についているような感覚を抱かざるをえません。

   大臣を辞任に追い込んだ記者クラブの面々は鼻高々だ。記者会見室には哄笑が響く
   得意絶頂のあまりヤクザ言葉で鉢呂氏に答を迫る記者もいた。
   社名も名乗らずに無礼千万な態度で質問するのである
   (9/11 田中龍作ジャーナル「鉢呂経産相辞任 記者クラブに言葉狩りされて
より)

菅内閣・野田内閣を通じて初めて「原発ゼロ」=原発廃止を打ち出した大臣の理不尽な退陣劇。
一部のアホな記者どもの幼稚な虚栄心によって、
クククと声を押し殺しつつ笑っている原発推進論者たちがたくさんいるのだと思うと、
少々口惜しい思いがいたします。。。

大臣就任前、福島に入り特に子どもたちの被爆問題、
学校や周辺の除染問題について国に提言してきた鉢呂氏ですが、
結局は一部記者クラブの「言葉狩り」(田中氏の言)によってその職をまっとうすることもできずに
辞任に追い込まれてしまったという形です。

後任に枝野氏が就任したのは周知のとおりですが、
電力不足解消に向け、再稼働に前向きな姿勢を示した」などと報道されております。

いったいどうなっちゃうんでしょうか、この国は。

01

・・・というわけで、シリーズ3回目。
今回は原発に関係する学者さんやいわゆる「専門家」と呼ばれるような方々の発言を集めてみました。
傾向としては、どちらかというとそれこそ専門的な言葉を羅列することで
われわれのような一般的な感覚をあざ笑うようなところが見え隠れするような感じがあるような気が若干いたします。

あと、やっぱり生涯をこれに捧げているからでしょうか、
原子力というものへの「純粋な愛」みたいなものがそこはかとなく感じられるというところがキモでしょうか。
古いのが壊れちゃったんだったら、新しくてもっとすっごく強いやつ作ろうよ」みたいな。
原子炉というマッチョな機械装置に対する子供じみた愛、といいますか。

ストレンジラヴ博士や爆田博士、
あるいは福島は会津若松の出身だという「ヤッターマン」のブツクサ・ボヤッキーも真っ青な、
まさに「博士の異常な愛情」・・・。

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「わたくしは「安全な原子力なら推進」という考えです。つまり、これから原子力を推進していくためには、事故が起これば推進することができないというのがわたくしの考えです。わたくしにしてみれば、「安全な原発推進派」というのは「墜落しない飛行機は賛成」というのと同じですから、当たり前のように感じますが、それが異端になるという日本の状態を変えなければならないと思っています」
3/25 武田邦彦・中部大学教授(工学) 「安全な原子力推進派」は異端? 私のスタンス

「原発の新増設については見直しが余儀なくされ、拡大させようとしていた分の伸長がなくなるとしても、それで全廃という極端な結論に至るのは短絡すぎる。危険な原子力を全廃せよと唱えることは容易だが、技術と英知を結集させてこの課題を乗り越えることこそが、先進国である我が国の責務であろう」
4/15 柏木孝夫・東京工業大学教授

「原発の技術は日夜進歩している。東芝と米ウェスチングハウス、日立と米ゼネラル・エレクトリック、フランスのアレバの新型炉は、いずれも大幅に安全性が向上し、事故が起きる確率は従来の100分の1に減少している。福島の事故が収束すれば、人々も落ち着きを取り戻すはずだ。地球温暖化対策だけでなく、経済面も考えれば原発を縮小するのは好ましい判断ではない」
4/15 フィリップ・トーマス・英シティー大教授(英シティー大工学部教授兼危機管理センター所長) (毎日新聞より)

「人類は原発を知り尽くしていない。だからこれからも事故は起きるだろうが、事故を克服して原発を使っていくべきだ」
4/20 畑村洋太郎・事故調査委員会委員長(失敗学会理事長)

「(日本のような地震国であっても原発は)存在させなければならない
「飛行機のジャンボ機飛ばして、新幹線も走らせてるこの国ですから、それ(原発の稼動)ができないんだったらね、飛行機乗るのも、新幹線も走らせられない
「一億数千万のエネルギーのためには(原発は)どうしても必要」

5/4 住田健二・元原子力安全委員会委員長代理(大阪大学名誉教授)

「私が心配しているのは、地球温暖化問題です。自然エネルギーの利用推進はもちろん必要ですが、安全で安心できる原発を造るしかない」
「第二次世界大戦が始まる頃、日本は石油を輸入できなくなりました。 それで日本はインドネシアに進出し、開戦につながった。日本のエネルギー自給率を高めるために原発は必要です」
「(原発推進の意見は)変わりません。天災は技術で防ぐしかありません

5/6 有馬朗人・東京大学名誉教授(原子核物理学)

エネルギーの自立環境への責任を考えれば、原子力が21世紀のエネルギー政策において中心的な役割を果たさないといけない。福島の大事故もこの事実は変えられません。原子力の使用を大幅に拡大させていくことでしかクリーンエネルギーは得られないという事実は揺らがないのです。世界はなお原子力を必要としています。責任感の強い企業がそれをさらにしっかり支えていくことが最も重要であると信じます」
ジョン・リッチ・世界原子力協会事務局長 (5/15号 AERA臨時増刊「原発と日本人」より)

太陽光や風力による発電は不規則ですから、どうしても原子力のように恒常的に発電できるものとの組合せが必要です。一方で核融合の実現へ努力し、更に原子炉の安全安心を確保して運転しながら、使用済の核燃料の処理問題を解決しなければなりません。それには使用済核燃料を再処理し、一つにはプルトニウムを取り出して使うことにより、エネルギーの自給率を上げ、ウラニウム238を活用すること、そして又ストロンチウムセシウムテクネチウムパラジウムなどの貴重な資源を取り出すことが必要です。そして加速器駆動システムを実現して、MA(長寿命核種)などを核分裂させて電力を発生させると同時に寿命の短い核種に変換させることが望まれます」
6/10 有馬朗人・東京大学名誉教授(原子核物理学)


「福島第一原発の事故ののち、日本において原発はすっかり悪者になってしまった。一部のメディアでは、誤解と偏見に満ち、冷静さを欠いた情報ばかりが出回っている。さらにこの機に乗じて、少し前までは「死に体」同然だった反原発派も、その正統派が復活し勢いを増しているのみならず、いろんな流派の人びとがここぞとばかりに声を上げ、「原発=悪」というイメージをことさら植え付けようとする動きが見受けられる。今回、しきりにこれらの言葉(「ホットスポット」や「メルトダウン」)を使うのは、特定のイメージを一般の人びとに抱かせる「罠」といっていい。それを知ってか知らないでか、多くの人は事実を誤って解釈してしまっている」
「これだけの人口と工業力をもつ日本で、(自然エネルギーが)家庭や工場に安定的に配電しつづけるのは困難だろう。とくに、産業を支える規模と体力はない。基幹電源となりうるのは、やはり火力と原子力だと思われる」
「エネルギー政策を再考するにしても、原発の選択肢を捨てるべきではない。高度な日本の技術力を活かし、さらに今次の事故の教訓を踏まえ、より安全で効率のよい原発を世界に輸出することも考えねばならない。日本の現実的な選択肢は今後、高い安全性の機能を備えた原発を建設するか、いまある原発に災害対策を加え、なおいっそう安全性を高めていくことであろう」
「反原発派に踊らされ、センセーショナルな議論にばかり走るのは、これまで日本人が営々と築いてきた工業力や国力、文化などを壊すことになる。また併せて、日本は原発に関して世界一の技術力と運営力をもっている。日本は自然エネルギーにおいても、資源小国なのである。ドイツやイタリアに付和雷同することはない。いまこそ日本は、幻想を捨てて現実的な理念と方法論を実践し、世界に示すときである」

7/11 澤田哲生・東京工業大学助教
ギレン・ザビの演説みたいですネ。03_2 ←この方、よーくテレビでお見かけした方です。)

「それでも私は地球温暖化対策エネルギー源の分散の観点から、原発は必要だと考えている。今後の原発新設は、増設でなく、安全性の高い新鋭機への置き換えを中心にすべきだ」
7/14 住田健二・元原子力安全委員会委員長代理(大阪大学名誉教授)

「エネルギー問題をムードで判断するのは、我々の生活への影響が大きすぎるのではないか」
「中国は急増するエネルギー需要に対応するために大規模な原発導入を進め、インドもトリウム燃料を用いた原発を推進している。今後、これら諸国とエネルギー安全保障に関する「戦略的互恵関係」構築が必要になると思われる。その時、フクシマの経験をもとにした日本固有の原子力工学は、貴重な資産になるはずである」

7/18 村岡克紀・九州大名誉教授(プラズマ理工学) (朝日新聞 私の視点: 脱原発 ムードに流されず判断を)
(なんか、中国やインドが羨ましくってしょうがない、という感じがよく出てます)

「福島第一(原発事故)にもかかわらず、原子力の世界的な利用はこれから数十年間にわたって増え続け、多くの国にとって重要な選択肢のまま残る
7/27 天野之弥・IAEA事務局長

「(九電の)やらせは遺憾だが、プルサーマルをどう進めるかは全く別の話。エネルギー確保は日本全体が抱える問題で、国民は冷静に現実を見てほしい」
7/30 出光一哉・九州大大学院教授(エネルギー量子工学)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さてここで特集
奈良林直・北海道大学教授(原子炉工学) / 原子力安全委員会専門委員の発言集。

見た目はわりと穏やかそうな方ですが、
その発言は「マッド・サイエンティスト」の称号を彼にこそ与えたくなる、珠玉の輝きを秘めております。ではどうぞ。

「塩を200グラム取ると、成人男性の方は、致死量というんですけど、半分の方が亡くなられます。ところがプルトニウム239の経口致死量、飲み込んだ場合、ええ、これは32グラムです、ですから毒性というのは、塩とそんな大差ないんです、それから肺にのみこんだ場合の致死量は約10ミリグラム、これはあのう、だいたい青酸カリ、ちょっと、こ、まあ怖い数値になってしまいますけど、そのくらいの、あの、あの毒性です。で、むしろあの、食中毒のボツリヌス菌とかですね、そういった、あの、毒素の方がはるかに危険性が高い。それから、ダイオキシンもありますけども、そういったものがさらに危険性が。であの、ですから、その、プルトニウムを粉末にして、わざわざそのう、飲み込まなければ、肺に入れなければ(ここでアナウンサー「そんな人間誰もいないですね」のつっこみ)。
・・・あと紙一枚で止まる物質ですから。それはそれで、ちゃんと、まあプルトニウムを使った燃料を作る所は、しっかりしたそう、施設で作っていますので、それは大丈夫です」

4/3 TV『サンデースクランブル』より

「原発が止まって電力供給が下がり計画停電となれば、これからの時期はエアコンが使用できずに熱中症で亡くなる人が増えるだろう。病院の自家発電も限度があり大きな支障をきたす。東京では通勤できなくなり、高層マンションもエレベーターが使えない首都圏の機能は麻痺し、被害は全国に及ぶ。原発を止めろと言うことになれば大変なことになる」
「原発はCO2排出量が少なく、コストも安価

4/9

「地震が来ても原発が避難所になる
「1億3000万人が乗っているジェット機のエンジンの30%は原発。原発を動かさないと、失速して墜落してしまう、いいんですか?」
使用済み核燃料は、増殖炉を使うことによって、これから2,500年分の日本のエネルギーなのです」

7/9 NHKスペシャル・シリーズ原発危機第三回「徹底討論どうする原発」より

マスコミは再生可能エネルギーとしての太陽光や風力を礼賛する報道に終始しており、国民に錯覚を与えている。緊急対策を施した原発はすぐにでも運転を再開すべきだし、ましてや長期の試運転を行った原発は速やかに営業運転に移行すべきである。熱中症や大規模停電、経済の対外競争力低下といった新たなリスクを生むべきではない」
8/15 JINF今週の直言「安全対策済みの原発は運転を再開せよ」

去年1月、とある原発シンポジウムにおける奈良林教授のプロパガンダ文書
(プルサーマルで)子供や孫に安心をバトンタッチ」等々、ものすごいことがいろいろ書かれています。
こうなるとほとんど原発セールスマンと変わりませんですね。
こういう人が「原子力安全委員会」の専門委員なわけです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

特集その2。宮崎慶次・大阪大学名誉教授の発言集。
この方と何か話しても、絶対に噛み合わないこと請けあい。

経済性に優れ、CO2排出量の少ない原子力は、今後も推進すべき。そうしないと日本は電力不足日常的な生活への支障経済活動の停滞により文明や社会が大いに後れをとることになろう。自然エネルギーは推進すべきだが、多くを期待することは無理である」
(『AERA』 4/4号より)

「私は今でも原子力を積極的に推進し、もっと増やすべきだと考えているが、推進派と反対派はアクセルとブレーキというバランスでそれぞれ一定の役割を果たしてきたと思う。原発に何でも反対だと、電力会社は(意見を)聞きにくい」
「各国が電力源として原発を考えていたのに、今回の事故で安全なはずの原発の推進計画に悪影響を与えるおそれがある」
「(もし原発を止めて)停電になったら、社会が混乱する」
「太陽光発電は大いにやるべきだと思うが、経済性がないことは明らか」
「今回の事故の発端は自然災害にあったわけで、それに耐えうる強靭な原発を築かないといけない」

( 『AERA』 4/25号より)

「今回の福島第一原発事故の補償費を含めると、原子力はコスト的な有利さが減じるが、それも小幅に留まるものと思われる。基本的な原子力の経済的優位性は変わらないであろう」
『SAPIO』 6/15号より)

「確かに信頼は失墜したんですけれども、原子力なしで今後の日本のエネルギー、あるいは世界のエネルギーが確保できるかというと、そういう状況ではないということですよね。だから私は基本的には原子力政策を変更する必要はないと思っております。核燃料のリサイクルをやらないのなら、ウランといえどもそんなに長く(100年ぐらいしか)持たないはずなんですね。だから当然将来に対する投資として、「もんじゅ」もやらなければいけませんし、核燃料の再処理施設もきちっとやらなければいけないと」
今回のことは根本には2万3千人の方がお亡くなりになった大自然災害の中の一つの事象であるということも考えていかなければいけないんじゃないか。私はよく鄧小平さんの言葉の“白い猫でも黒い猫でもネズミを捕る猫はよい猫だ”と、そういう意味でイメージとしては原子力は黒い猫なのかもしれませんけれども、いい猫だと。エネルギーを出すという意味ではいいエネルギーだと思っております」

8/24 テレビ朝日 『報道ステーション』にて)

・・・つっこみはどうぞご自由に。

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いかがでしたでしょうか。

今回はしかしながら、けっこうスゴい発言をビシバシしている
特に放射線医学の専門の方々の発言は除外してあります。
直接原発への言及がないという理由です。

その中にはたとえば、

  「
プルトニウムを水と一緒に飲んでもすぐ体内から排出される(から大丈夫)」

などといったけっこうすごい発言を公開でなさっている専門家もいらっしゃいます
(東京電力出身の東大教授(工学)、大橋弘忠氏。ただしこの発言は事故前の2005年になされたもの)。


われわれの未来が、これら一部の「マッド・サイエンティスト」たちの掌中に握られているのだとすれば、
これは少し恐ろしいことではないでしょうかネ。

このシリーズ、まだ終わりません(正直いいかげん自分でも辟易してきましたが)。
ではでは、またまた

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本日の一枚

02
緑の放射線

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2011年9月 8日 (木)

原発推進論者たちの「理」 (2)

先だって就任したばかりの野田佳彦首相の原発へのスタンスとして注目される記事が3日の毎日新聞に出ていました。
「中長期的に依存度を下げていく。新規建設は行わないし、寿命が来たものは廃炉にしていく」とあり、
菅元首相の「脱原発」路線を大きく見直す兆候は認められない、とされています。

ただし、2日の記者会見では「電力は経済の血液だ。当面は国のストレステストなどを踏まえて、
安全性を確保しながら地元の理解を前提に定期検査した原発を再稼動させていきたい」

とも述べているように、新総理の本意はいぜん不明といえるでしょう。
むしろ態度を鮮明にしないという態度をとっている、というべきでしょうか。

また前回の記事から今日までの政界での注目発言として、追記として以下を挙げておきます。

「現状のこの国、世界のエネルギーのシステムにおいて、原子力も検討の中に入ってこざるを得ない」
9/2 三村申吾・青森県知事
六ヶ所村の再処理施設を抱える県のトップが依然はっきりと今後も原発は絶対に必要である、と断言しているわけです。

そして敦賀原発を抱える河瀬一治・敦賀市長は、
「原子力が当面果たすべき役割を考えると、古い原発から最新の炉に置き換えていく必要がある」
と述べています(8/31 日経新聞
)。
また「もんじゅ」に関しても、

「資源のない国として研究を進めてきた。ここで断念するのはいかがなものかと。

また新政権での閣僚の相次ぐ「脱原発」発言に対し、建設中、計画段階の原発案件を抱える越善靖夫・東通村村長は
「(3基とも白紙になれば、村の財政や経済への影響は大きく)エネルギーの安定供給地球環境問題の解決などには原発の重要性、必要性は変わらない」
約4割の工事が終わっている大間原発の地元、大間町議会の石戸秀雄議長は

「原発が頓挫し代わりがなければ、町そのものの消滅につながる
古川健治・六ヶ所村村長は

「国策としてきた基本方針(核燃料サイクル事業)がぶれることがあってはならない」(9/8 朝日新聞
と危機感を募らせています。

というわけで、前回の政界からの発言に引き続き今回はいわゆる経済界、「財界」などとよばれる
自分からはまったく縁遠い世界の人々の原発推進発言を集めてみました。

政界のある種の方々のような「突拍子もなさ加減」は(ごく一部を除いて)さすがに少なく、
いわゆる「原子力ムラ」内部の論理によるある意味面白味に欠ける発言が目立ちますが、
そもそもあれだけ甚大で悲惨な事故を起こしておきながら
それでもなおこの国が明確に「脱原発」へと態度表明できないでいるのは、これら大企業のトップにおられる方々、
あるいは大がかりな利益誘導装置としての諸経済団体の意向が大であることがお分かりいただけると思います。

こちらでつっこみを入れることは厳に慎みますので、
お読みになられる方おのおのが心の中でどうぞ思う存分つっこんでやってくださりませ。

前回に引き続き、リンク切れの場合はご容赦を。

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まずはもちろんこのお方、日本経済界の首領、米倉弘昌・日本経団連会長(住友化学会長)その人の発言もろもろから。

「(福島第一原発が)千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ。原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」 (3/16

「(原子力の安定供給体制を維持するため)法律に基づき国は東電を民間事業者として全面支援すべきだ」
「政治家が国有化という言葉を使っただけで、どれだけ東電の株価が下落したか」
 (4/11

「(原発が)国民の信頼を回復するにはかなり時間が必要だ。むしろ原因を徹底的に解明して、安全性を確保し、原子力というものが必要だということを国民に訴え、経済性とCO2、あるいは安全ということをバランスのとれた形でやっていくべきだ」
「現在、9つほどの原発計画があるが、これについても(事故の)原因を解明し、安全性を計画に反映すれば、もっと安全な原発になるのではないか。原発を廃止する必要はない」

(4/11 ウォール・ストリート・ジャーナルによるインタビュー


「(政府の浜岡原発停止要請に対し)東海地震の確率論(30年以内に87%)では分かりかねる。(菅総理の)政治的パフォーマンスだ」 5/9
 
「(再生エネルギー法案について)性急な導入が電力価格の上昇をもたらすことになれば、地域経済の弱体化雇用喪失にもつながりかねず、国民生活に及ぼす影響は計り知れない」 6/27
 

「これ以上電力の供給能力が下がれば、国内企業の設備投資が止まり、雇用維持が難しくなる 7/11
 

「(ストレステストに関する政府の統一見解について、机を叩きつつ声を荒げて)首相が何を考えて言ったのか、政府内で混乱している。こんなばかな話、考えられない 7/11) 

7月14日には、経団連名義で「エネルギー政策に関する第1次提言」という公文書が発表されています。その中から。
「原子力については、定期点検終了後も停止したままとなっている発電所を、速やかに再稼働させることが何よりも重要である。政府は、これまで実施した緊急安全対策等の意義について、周辺地方自治体・住民に十分説明し、理解を得る必要がある。(政府は)強い責任感をもって再稼働に取り組むべきである」
準国産エネルギーである原子力の果たす役割は引き続き重要である」
「わが国の英知を結集し、最高水準の安全性を備えた原子力の研究開発に取り組む必要がある」

・・・楽天が経団連を脱退したことはまだ記憶に新しいですね(6/22付)。
その理由について三木谷浩史社長は
電力業界を保護しようとする態度がゆるせないとTwitter上でつぶやいています。

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以下、その他の経済団体等の言。

原発の建設基準を向上させるしかない。今後もエネルギー供給の一定割合は原発に依存せざるを得ない」 
3/16 岡村正・日本商工会議所会頭 

夏場の電力不足を回避するため、新潟県の柏崎刈羽原発の休止炉を早急に再稼働するべき」 
4/6 桜井正光・経済同友会代表幹事 

「(原発関連施設の工事見直しによって)地元の経済活動が停滞し、解雇が増えている」 
4/21 むつ下北地区商工会連絡協議会等

「福島原発事故を教訓に安心、安全な、地域の人が信頼できる原発を建設してほしい」
4/21 駒嶺剛一・むつ下北地区商工会連絡協議会会長 

「日本のように自国で電力供給を賄わなければならない国では、国民感情(脱原発のこと?)とは別に国家の政策として取るべき選択肢は限られている。国は苦渋の選択ではあるが原発をやりたいというべきだ」
6/14 長谷川閑史・経済同友会幹事 

「九州に工場を誘致したいと思っても、海外に行ってしまう。原発を再稼働してもらいたい」 
6/22 河部浩幸・福岡商議所会頭(九電工会長) 

「(原発の)安全神話を復活させてほしい」 (はぁ?)
6/24 佐藤茂雄・大阪商工会議所会頭 (関電の八木誠社長に対する要望)
あ、いかん、思わずつっこんでしまった 

「エネルギー源として原子力なしでやっていくのは現実的でない
6/? 森詳介・関西経済連合会会長(関西電力会長) 

「(原発をめぐる混乱は)海外移転を考える企業にトドメを刺す。この状態が長く続けば、日本では製造業が成り立たない
「遠い将来代替エネルギーが開発されれば、原発が不必要になる時代になるのかもしれないが、当面は原発なしで何ができるのか

7/15 町田勝彦・大阪商工会議所副会頭(シャープ会長) 

「(菅首相の「脱原発」発言について)今の経済状況を無視した安易な発言だ」
7/15 町田勝彦・大阪商工会議所副会頭(シャープ会長) 

「(菅首相の「脱原発」発言について)空々しく感じ、情けなかった
7/15 佐藤茂雄・大阪商工会議所会頭 

「(電力不足懸念と菅首相の発言による混乱で)国内の設備投資の動きがストップしている」
7/15 大林剛郎・関西経済同友会代表幹事(大林組会長) 

電力の30%は原発で賄っている。再生エネルギーに直ちに取って替えることは不可能。すぐにやるのは全く非現実的だ」
7/20 林田英治・日本鉄鋼連盟会長


「具体策なき原発依存度の引き下げが国民生活・産業活動に及ぼすダメージは計り知れない。企業の海外流出は、わが国の産業空洞化をもたらし、著しい国力劣化を招く」
7/21 大阪商工会議所などの政府への「提言」 

「日米仏の原発先進国は協力を推進すべきだ。原発は必ず50年先の世界のエネルギー需要に貢献できる
「国際機関が安全性チェックをしたうえで、定期点検中の原発の再稼働が必要だ。電力供給の不安定さが企業にどれだけの負担をかけているか、政府はよく考えてもらいたい」

9/5 長谷川閑史・経済同友会幹事

「(54年ぶりに運動方針案から「原発推進」が外されたことに対して)技術や人材、地域との信頼関係など、長い年月をかけて積み上げてきたものを手放していいのか
組合員や家族の生活を守るという観点から(原発維持の)意見提起をしてほしい」

9/7 電力総連組合員 (定期大会において) 

「(東通東電1号機の建設中断で)飲食店も宿泊施設も売り上げが半減している。協力してきたのに、今さら国は廃止と言えるのか」
9/8 二本柳雄作・東通村商工会会長 

「(六ヶ所)村にとって原燃の存在は大きすぎ、もしなくなれば経済がもたない
9/8 上長根浅吉・六ヶ所村商工会長 

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以下、当事者である電力会社関連の言。

「(定期検査中の原発の運転再開が遅れていることについて)車検の済んだ車に乗るなというようなもの。エモーショナルな側面がもたらした一種の風評被害だ。震災の復興を九州から支援するには、電力の安定供給が不可欠。玄海原発2、3号機の運転再開が必要」
6/30 松尾新吾・九州電力会長 

「(運転停止中の高速増殖炉「もんじゅ」について)エネルギーの有効活用からみて大事な観点。推進していきたい」
8/9 八木誠・関西電力社長 


「福島第1原発事故を踏まえ、電源車による電源確保など適切な対策を講じており、安全性は十分確保されている」
8/31 関西電力 (定期点検中の福井県内の原発7基の再稼働差し止めを求めた仮処分申し立ての第1回審尋にて)

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そして(今やその理念自体が完全に破綻していると言わざるをえない)いわゆる「核燃料サイクル」プロジェクトの要、
日本原燃(青森県六ヶ所村)の川井吉彦社長の言。

「(プルサーマル計画について)日本のエネルギーの将来を考えた場合にどうしても必要だ。日本の英知を結集すれば、より安全な原子炉が造れる。わが国のエネルギー確保には原子力も必要だ」 (3/31

「核燃料サイクルの必要性、意義はいささかも変わらない」 (7/14

エネルギー資源のない我が国は、原発抜きには国民生活、国力の維持・発展は考えられない。核燃料サイクルは原発の屋台骨を支える必要不可欠な事業だ」
「これら(これまでに培った技術や人材の意義、地元との協力関係)を捨てていいのか (7/29

「エネルギー政策は国家の行方を左右する重要な課題であり、エネルギー資源をほとんど持たない我が国の現状を踏まえて(新政権には)十分に議論を尽くしていただきたい」 (8/29

ちなみに、この日本原燃の会長は八木誠・関西電力社長である。
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続いて、おなじみ西山英彦・原子力安全保安院審議官の言(3/23)。 
(太陽光は)非力だ今の需要を満たすという点からしても、環境対策にしても、どうしても今、原子力がなければやっていけないし、この先それに代わるものが簡単に見つかるとは思えない
「いずれにしても、いま本当に原発を一度全部止めてくれという話になったら、止めるのはいいが、電気は来ない、ということになる」

ちょっと毛色はちがいますが、日本原子力技術協会最高顧問・石川迪夫氏が
4月29日にテレビ朝日の『朝まで生テレビ』に出演したときの言から。 

「福島の事故は津波がなければ起きていなかった。地震や老朽化によって事故を起こしたわけじゃないんです」
「原発は30年どころか、60年、100年だって大丈夫ですよ」
「浜岡原発はやめる必要はない。強度はしっかりしている。マグニチュード9でも福島はもった。(だから)浜岡でも心配することはない。津波は、電源さえきちんとしておけば大丈夫

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記事アップした翌日にまたまたこんなの見つけたので追記(9/9)。
「(2004年から国の安全審査が続いている敦賀原発3、4号機の増設計画について)来年三月の本体着工というスケジュールで準備している。3、4号機は地元や県との積み重ねでここまで来た。原子力は日本のエネルギーに必要で、古い炉を廃止していくのであれば、新しい炉の建設は必要と思う」
8/26 浜田康男・日本原子力発電社長



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以下、その他大企業トップ等の言(もちろんこの中には原発建設に関わる当の事業者も含まれている)。

「日本のエネルギー政策上、原発をまったく使わず、すべてを化石燃料や新エネルギーでまかなうことはあり得ない。事故で安全面の課題は突き付けられたが、原発事業を継続してゆくことに変わりはない」
4/6 中西宏明・日立製作所社長 

「(原発の安全性そのものへの懸念が広がっているが)米WHの最新の原子炉は外部電源がなくても72時間の冷却が可能な技術が確立されている(ので深刻な事故を回避できる)」
4/14 佐々木則夫・東芝社長 

「原発維持は必要。玄海原発は地盤も日本で一番安全。これがダメだったら、どこで原子力発電をするのかという話になりかねない。玄海原発は津波の歴史もない安全な地域の原発
5/19 石原進・JR九州会長 

「原発停止を求める人々は火力発電や再生可能エネルギーの活用に活路を求めよと主張する。しかし質・量・コストいずれの点から見ても一部補完以上の期待はできない
「今日の原発は50年にわたる関係者の営々たる努力と数十兆円に上る設備投資の結晶であり、それを簡単に代替できるはずがない
原子力を利用する以上、リスクを承知のうえでそれを克服・制御する国民的な覚悟が必要である
「今回(の原発事故で)得られた教訓を生かして即応体制を強化しつつ、腹を据えてこれまで通り原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない
「政府は稼働できる原発をすべて稼働させて電力の安定供給を堅持する方針を宣言し、政府の責任で速やかに稼働させるべきだ。今やこの一点に国の存亡がかかっていると言っても過言ではない」

5/24 葛西敬之・JR東海会長

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品質の良い安価な電力の安定供給CO2排出問題への対処等の観点からも、エネルギー全体の(原子力をベースにした)ベストミックスの観点からの議論が必要」 佐々木則夫・東芝社長

「国内及び世界の電力需要と地球温暖化対策・エネルギーセキュリティ対策の観点から、原発抜きのエネルギー政策は現実的ではなく、中長期的には原子力推進の流れは変わらない」 大宮英明・三菱重工業社長

「日本の産業が国際競争力を維持し成長するためには、安価なエネルギーを安定して供給することが不可欠であり、その為には安全対策を強化した上で、浜岡原発も含めて休転中の原発を出来るだけ早く再稼働させることが必要。短・中期的には、原発の安全性を高め上手く利用することが、日本の国力を維持し、日本国民の健康で文化的な生活を守ることに繋がる」 日覺昭廣・東レ社長

「原発を代替するエネルギー源の確立には時間がかかる。次世代のエネルギー開発を進めながら、原発の安全性向上を図るべき」 古森重隆・富士フイルムHD社長

・・・以上、6/14付 『週刊現代』「原発やめますか、続けますか 史上空前の大アンケート」より
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「(原発の)必要性は今後もなくならない。計画中の原発は安全基準を見直した上で建設を進めるべきだ」 加藤譲・三菱地所常務

「原発を造るのを一度やめると日本は原発の製造技術を失う 松下正・コクヨ常務

・・・以上、6/19付 朝日新聞「主要100社アンケート」より
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「(点検の為に停止している玄海原発が運転再開しないと)その後の原発も動かなくなり1年もたたないうちに全部止まる(のでただちに再開すべき)」
「(住民の不安が根強いことについて)住民投票をすれば反対になるに決まっている経済的な影響を踏まえて、専門家が判断すべきだ」

松尾靖彦・佐賀銀行頭取 朝日新聞(福岡版) 6/21

「(仮に原発が全て停止した場合は)日本経済の先行きに大変大きな影響を与える。そうした事態にならないように、安全面で議論が尽くされることを願っている」
6/23 森本宜久・日銀審議委員(元東電取締役) 

産業を活発化させ、国民生活の豊かさを保つには現行の3割の原発依存率が必要」 渡文明・JXホールディングス相談役

「震災後も海外から質の高い原発が欲しいといわれている。菅さんが何と言おうと原子力の海外展開をやっていく」 川村隆・日立製作所会長

国連の常任理事国はすべて原発を保有している。日本で原発がなくなり、海外にも輸出しないとなると技術の継承ができなくなる 小島順彦・三菱商事会長

準国産エネルギーとして重要」 西田厚聰・東芝会長

・・・以上、7/22 軽井沢経団連「夏期フォーラム」における発言集。
なお、ここで取りまとめられた『2011アピール』なる提言には

「原発に対する信頼回復を図り、中長期的視野に立ったエネルギーのベストミックスを実現」
なる項目が盛られた。
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・・・おそらくここまでくまなく読んだっていう方はかなり辛抱強い精神の持ち主にちがいありません、ご苦労さまでした(笑)。
ともあれ「原発の火を消すな」という強靭な意志が感じられる発言集になったと自負しております。
さてところで、これらの発言中から、これからもなんとしてでも原子力行政を推進していくべきであるという
理(ことわり)
をひとつでも見つけられましたでしょうか。

それにしても、そもそも人の命と引き換え可能な、いやそれ以上の価値があるほど大事な「経済」っていったい何なのだろう。
これらの方々は、「経済成長なくして将来なし」と言うでしょう
長谷川閑史・経済同友会代表幹事の言)。
でも、経済成長なるものが最終的に目指すべきものっていったいなんなのでしょうね。

僕は、幸せな生活、これしかないと思うんです、
上に挙げたようなエラい方々にはナイーヴな奴だとせせら笑われるでしょうが。
でも、いくら人々に経済的な豊かさがもたらされたとしても、
その上で生活すべき土地が汚されてしまっているとしたらなんにもならないんじゃないだろうか。
国汚れて経済成長あり」な状況って、そんなに幸せじゃない気がする。

そもそも(「交換」を原則とした)原初的な経済の本質とは「滞ることのない流れ」のようなものではないかと思うんです。
ところが、いったん「利潤」なるものが追求されはじめるようになるやいなや(それこそが資本主義の「鉄の掟」だとしても)、
純粋な流れに得体の知れない「瘤(こぶ)」がたくさんできて、それがいっきに血栓みたいにふくれあがり、
最後にはそれこそ真っ黒い「原油の淀み」みたいになってしまう。

経済評論家の内橋克人さんは、原発と経済界の関係について、次のように語っています。
「原発は1基数千億円で、メーカーの下に多くの関連産業がぶら下がっている。しかも、原発推進は国策なので景気や個人消費の動向に左右されない。経済界にとっては、確実に利益が見込め貴重な市場だった。しかし、放射線被ばくが招くのは数十年後の死であり、日本はリスクを前提に生きる社会に突入したのです。そうした消費者の不安がある以上、原発も安定市場ではあり得ない。経済界も実は、新エネルギーにシフトしなければならないことに気づいているはずです」 
毎日新聞

ほんとかな。

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中には城南信金などのようにいち早く「脱原発」を標榜し、それによる成果を挙げている企業もあります。
また、「一定の時間軸をおいて国を挙げて様々な対策に取り組めば、脱原発は十分可能」としている西川善文氏(元三井住友銀行頭取で日本郵政社長)のような「大物」もいらっしゃいます。

それからこれはよく知られていると思いますが、東電の「中興の祖(1961-71社長)」とされる福島県出身の故・木川田一隆氏(元経済同友会代表幹事)
は、終始原発には懐疑的であったとされています。
彼は
「企業の社会的責任」を唱えた先駆的な財界人として今でも人の口の端にのぼることの多い「Buisiness Statesman」(米紙)でありました(ただし今回事故を起こした福島第一原発の当地への誘致に応じたのが誰あろう木川田氏その人であったというのは皮肉なことですが)。

スズキの鈴木俊宏副社長は、
もし浜岡原発の再開がなされなければ同原発から11kmの距離にある工場を移転させない、と述べています(7/18)。
つまり、大方の大企業が電力供給が安定しないのなら工場を海外に移転させますよ、
国内産業が空洞化しますよ、それでもいいんですか、と(いわば)国民を恫喝しているのに対し、
原発の運転を再開させるなら工場を別の場所に移転させますよ、と自治体に対し暗に「逆脅し」をかけているわけです。
巨大な「経済界」への一抹のユーモアさえ感じさせてくれる発言だと思います。
というかこっちのほうがむしろ現実主義的か?


また賢明にも「将来的な原発ゼロ」を就任早々打ち出した
鉢呂吉雄・経済産業相に対する経済界の態度表明も今後大いに注目されるところですネ。

前回の記事でも書きましたが、このシリーズひつこく続きます。
ではでは、またまた

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本日の一枚

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葛に埋もれた車。これぞクズ鉄(失礼)

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2011年8月26日 (金)

原発推進論者たちの「理」 (1)

あれから半年近くたち、日に日に原発事故に起因する放射能汚染による不安が高まっています。

あのときから、僕の単純な頭では「もう原発、いらなくね?」というのが正直なところなんですが、
世間一般では一概にそうでもないらしい。例えば・・・

   問 現在、日本の電力の3割近くは原子力発電によるものです。
      今後、国内の原子力発電所をどうすべきだと思いますか。
      次に読みあげる4つの中から、1つだけ選んで下さい。
   答   1.増やすべきだ     10
        2.現状を維持すべきだ 46
        3.減らすべきだ      29
        4.すべてなくすべきだ   12
        5.その他            1
        6.答えない           3

読売新聞4月世論調査。数字は%。

「現在、日本の電力の3割近くは原子力発電によるものです」という但し書きの意図が不明ですが、
某Y売新聞の熱心な読者の中には事故からひと月後の原発について
「維持または増設すべき」が半数以上いらっしゃる、という結果です。

ところでいまだに正確な炉心の状況は誰一人として(推測はできても)把握できず、
溶け落ちた燃料は場合によっては格納容器を破って地面に達し、
地下水と反応して別種の水蒸気爆発を起こす可能性があるということ。
そんな中、被爆覚悟で命がけで現場で作業に当たる人々。
またあれだけ多くの人々が故郷を追われ、日々の暮らしに辛吟し、打ちひしがれ、
近い将来の青写真すら描けずに避難所等で暮らしていらっしゃるという現実。
牛豚鳥等の家畜らは概ね野垂れ死にし、
手塩にかけて作り上げた田畑の土や作物は見えない物質によりじわじわと汚染され続けています。

またたとえ事故原発の「封じ込め」に成功したとしても、
かろうじて取り出された放射性廃棄物(「原発ゴミ」)はその後想像を絶する期間、
人間(あるいはその後継)が管理し続けなければならないと言われています。

というこの状況の中でさえやはり「何が何でも原発」という人たちがたくさんいらっしゃるという事実。

実際のところ、ふだん目にしたり話をしたりする中で、
「やっぱり原発じゃなくっちゃ」という人が半数もいるという気配がそれほど感じられないもので、
この世論調査が奇異に感じられたのでここに紹介させていただきました
(あえてこの調査をとりあげることに恣意的なものを感じられる方もいらっしゃるでしょうが)。

だとすると彼らは、いわば「サイレント・マジョリティ」なのでしょうか。もの言わぬ賛同者たち?
新聞でも雑誌でもインターネット上でも、あまり大っぴらに聞こえてこない彼らの声が知りたくて、
できる限り(主にネット経由ですが)拾ってみることにしました。

彼らの言い分にはどんな「理(ことわり)」があるのか。
「原発なんて、もういやだ」という僕の率直な(浅薄な?)感覚的思考を彼らは覆してくれるのか。
「ああそのとおりだ、僕がまちがっていた」と啓蒙させてくれる「理ある」言葉がそこに果たしてあるのか。

本ブログの意図からは少々ずれるかもしれませんが、個人的な備忘録として記事にしてみることにしました。
ざっくりと (1)政治家 (2)経済界 (3)識者・文化人 (4)新聞等マスコミ の4回に分けて。

第一回目は政治家の皆さんがたの発言。
もちろん漏れているものもかなりあるでしょうが、
とりあえず探し出せたものをできるだけ余計な感情を交えず羅列していくことにします。
ソースのリンクが切れている場合はご容赦を。
なお、場合によって自由に書き換え・省略させていただいている部分もありますが、
内容的にはほぼこの通りですので悪しからず。

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「現状では、原発を推進していくことは難しい状況(3/17)」 ⇒ 「(一週間後)安定的な電力供給ができないと製造業など維持できるのか」
谷垣禎一・自民党総裁 (5/5 朝日新聞)

「我々は市民活動家ではない。膨大なコストや不安定を覆い隠し『自然エネルギーで何とかなる』と言うのは無責任だ。現実問題として原子力を無くすわけにはいかない」
甘利明・元経済産業相・「エネルギー政策合同会議」委員長 (5/5 朝日新聞)

「原子力を選択したことは間違っていなかった。 地元の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がったのも事実だ」
「太陽光や風力というお言葉はとってもロマンがある。しかし、新増設なしでエネルギーの安定的確保ができるのか。CO2排出抑制の対策ができるのか。原子力の選択肢を放棄すべきではない」
「東電をつぶせと言う意見があるが、株主の資産が減ってしまう
低線量放射線はむしろ健康にいい、と主張する研究者もいる。私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った。過剰反応になっているのでは」

加納時男・東電顧問(元参議院議員)・「エネルギー政策合同会議」参与 (5/5 朝日新聞)

「(福島第1原発事故について)おおっぴらな検証など必要ない」
5/14 自民党内の原発推進派(特定できず)

「(イタリアでの原発再開の是非を問う国民投票での反対派の勝利を受けて)日本の場合はエネルギー需要全体を考えて総合的に判断しなければならない問題だ。他国の動向は参考になるが右から左に倣うことはない」
6/14 与謝野馨・経済財政担当相

「(事故後の反原発の動きについて)あれだけ大きなアクシデントがあったので、集団ヒステリー状態になるのは心情としては分かる」
6/14 石原伸晃・自民党幹事長

「福島の事故は、地下原発だったら起きなかった。仮に起きても被害は最小限に抑えられる」
「自然エネルギーは理想だが、今の技術では十分な電力を確保できない。日本が国際競争力を維持するためには、地下原発が必要だ」

6/14 山本拓・衆議院議員(「地下原発」推進議連事務局長)

「電力供給の不安、コストの上昇は国内投資への抑制、日本企業の海外への回避を呼び起こし、産業の空洞化を招く恐れがある。原発の再稼働をぜひお願いしたい」
6/18 海江田万里・経済産業相

「我が国は、原子力について、事故の徹底的な検証を踏まえ、最高水準の安全性を確保するため抜本的対策を講じ、安全確保を大前提として、今後の原子力政策の進め方について検討してまいります」
6/20 海江田万里・経済産業相 (IAEA演説

「万が一、深刻な事故が起きた場合の対応を含めて、玄海原発の安全対策はしっかりとられている。定期検査中の2号機、3号機の安全は国が責任を持つので、ぜひ理解してもらいたい」
6/29  海江田万里・経済産業相

「(原発のリスクへの反省がないのではとの質問に)そう思っていただいて結構だ」
「原子力だけに着目して議論せず、社会や生活、経済活動の在り方、他国への資源依存度など全てを考えた上で物事を判断するのが適切だ」
「別に原子力がなくなったからと言って生活レベルが落ちていくだけで、痛くもかゆくもない」

7/15 与謝野馨経済財政担当相

ただちに再生可能エネルギーで原子力による発電量をカバーすることは、極めて難しい。(したがって当面は)既存原発の稼動維持等、エネルギー政策上のベストミックスを進めることが必要」
7/20 自民党・国家戦略本部(本部長・谷垣禎一総裁)の報告書『日本再興』より 

「最低でも3分の1は原子力でやらないといけない(新規の原発建設も必要)」
7/22 与謝野馨・経済財政担当相 BSフジの番組で

「脱原発で見逃せないのは膨大な放射線廃棄物の処理だ。アメリカでは恒久的な廃棄物処理はあきらめ中間的処理に重点を移しつつある。つまり現在の技術で可能な範囲の処理方法を現実的に採用すると云う考え方だ。日本でもこのような対応を早急に進めるべきだ。5年~10年この対応を行っているうちに安全な原発が開発されるかもしれない
8/11 馬淵澄夫・民主党議員(BS11『InsideOut』)

「(「脱原発」は)総理の個人的な考え方ということで総括されている。原発をなくすという政策を政府として決めているわけではなく、次に引き継がれるということではない」
8/21 岡田克也・民主党幹事長 (NHK『日曜討論』)

「定期検査を終えた原子力発電所の営業運転再開が必要」
「(泊原発3号機の営業運転再開容認に関連し)動かさなければ日本のエネルギーが回らなくなる
「老朽化した原発の廃炉や核廃棄物処理にも原子力技術が必要だ」

8/21 谷垣禎一・自民党総裁 (NHK『日曜討論』)

「福島沖で地震が起こる確率はもうほぼゼロ。だから原発を動かしても問題ない」
8/23 石原伸晃・自民党幹事長 (文化放送『大竹まことゴールデンラジオ』にて)

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「私は原発推進論者です、今でも。日本のような資源のない国で原発を欠かしてしまったら経済は立っていかないと思う」
3/25 石原慎太郎・東京都知事

「管理さえしっかりしていれば、コストの面で、非常に安い電力を供給できる
「(電力供給の4分の3以上を原発でまかなっているフランスを例に挙げ)フランス人に出来ることがなぜ日本人に出来ないのか
そんなもの(再生可能エネルギー)で日本の、世界第3位の経済産業が担保されると思いますか」
「日本は核兵器を持つべきだと思っています。日本が核兵器開発のためのコンピュータを使ってシミュレーションするだけで、日本の存在感は変わってくる」

6/28 石原慎太郎・東京都知事

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科学的根拠があっての判断ならば、原発の運転再開は良いと思う」
6/18 品田宏夫・新潟県刈羽村村長

「当面、現状の原発依存度30%を維持せざるをない」
「福島の事故を受けての安全確保がされた時点で、高経年化原発(敦賀1、2号機)の入れ替えとして、新規原発(3、4号機)の建設にすぐに着工すべきだ」

8/1 河瀬一治・敦賀市長

「原発とともに歩んできた嶺南(若狭湾沿岸)にとって、原発は生活そのもの脱原発案が可決されると嶺南の発展に大きな影響を及ぼす。心情的には理解できるが、総合的に考えてほしい」
8/22 北條正・敦賀市議会副議長

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最後に、民主党代表戦候補(つまり事実上の次期首相候補)のエネルギー政策観 (東京新聞 8/13による

「少なくとも2030年までは、一定割合は既存の発電所を活用する、原子力技術を蓄積することが現実的な選択であろうと思います」
野田佳彦・財務相(「文芸春秋」)


「『原発依存』からは脱却しないといけないが、エネルギー政策には、経済成長、環境、資源管理、この三点のベストバランスの実現が求められている。国際社会の信頼を得られる世界最高の(原発の)安全基準を策定すること(が課題)」
馬淵澄夫・前国土交通相


「日本のような資源の乏しい国が石油などの化石燃料だけに依存するのはあまりにもリスクが高い。短絡的な『脱原発』というイメージが独り歩きしているかに見えるのは、国家として非常に危険」
海江田万里・経産相


「原子力発電については、革命的な技術進歩などがない限り新増設は行えないという前提で考える。長期的には原子力発電から段階的に撤退していくことを確認する」
小沢鋭仁・元環境相(政策提言)

鹿野道彦農相、樽床伸二元国対委員長 : 現段階で考え方を公表していない


「二十年ぐらいの間に原発を減らしていって、最終的に無くすためのロードマップを作ることが必要」
前原誠司前外相(テレビの報道番組にて)

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思わず「えっ」と声を上げたくなるようなお言葉も確かにありますが、
これからのエネルギー政策をどうすべきかについての意見を堂々と披瀝する必要が、
特に政治家の方々にはあると思います。
そういう意味では、上に揚げたような方々はある意味
(意見の内容はそれとして)信頼のおける人たちなのかもしれません。
この期に及んでこの問題について何の考えも表明しない、
あるいはできないでいる人にこれからの政治を云々してほしくない、と強く思うのです。

ではでは、またまた

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【本日の一枚】

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a Portrait of Parnara guttata

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2010年12月 7日 (火)

西風の女神舞う林を (2)

さてさて、こちらが今回の舞台、ハンノキ林です。

01  02

「林」なんていうと響きはいいけれども、実際はうーん、藪かな。
駐車場と舗装道路で分断されてなかったら、もう少し大きかったのかもしれない。

03

前回の記事で紹介した別の場所のハンノキは単独で立っていて枝ぶりも見事だったけど、
ここのは隣の樹木と接しているせいかヒョロヒョロとしていて若干貧弱に見えた。

マメ科の植物たちと同じく、根に根粒菌が共生していて空気中の窒素を地中に固定するため、
水辺の瘠せた地にいち早く侵入して肥沃な土地に改良する「パイオニア・プランツ」。

典型的な陽樹なので、枝が込み合うとうまく成長しないのかもしれない。

04

ハンノキが湿地に適しているのには、幹に秘密があるのだとスタッフの人が教えてくれた。
一般的に植物は根の周りに空気がないと腐ってしまうけれど、
この樹は幹の皮目から空気を根に送る、ポンプのような役割をするという。

今は、ちょうど実が熟してタネを収穫するにはもってこいの時期。
たくさん生ってますね。

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これを落とします。

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松ぼっくりを小さくしたような。
一つの実に、多ければ100個ものタネが入ってる。

タネを採り出す作業。真剣。

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これがタネ。
挽く前の胡椒の実よりよほど小さい。

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ポットに蒔く。
家に持ち帰って、たっぷり水をくれてやる。

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湿地の植物なので、水切れは厳禁、基本的に毎朝水をやらなければイケナイ。
多分ウチは無理なので、ハナっからあきらめて下にお皿を敷いて腰水状態で管理することになるでしょう。

陽樹なので、できるだけ日当たりのよいところに置くように、とのこと。
そんな場所ウチには屋根の上以外ないので、とりあえず芽が出たら置き場所は考えよう。

園芸植物ではないので、タネから芽が出る確率は低く、
100個蒔いたうちせいぜい5個から10個、芽が出ればいいほうだそうだ。

うまくいけば、来年の今ごろはこんな苗がいくつかできているかもしれない。

11

こんなのを、自生地周辺に植えていく。
来年が楽しみだ。

そして、西風の女神たちがふわふわと舞う林を想像してみる。


イベントが終わって、しばらく公園で遊んでから帰路につく。
もうすっかり夕暮れ。
ふと目を遠くに向けると、富士山のシルエットが鮮やかでした。

12  13

ではでは、またまた

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