カテゴリー「 屋上緑化」の3件の記事

2010年3月16日 (火)

屋上緑化からのヒント : コンクリ上の作庭記 (3)

さて、コンクリ上の庭造り、植栽基盤づくりの続き。

前回は、ホムセンで買ってきた金具を組み立て終わったところまで。
今回と次回で、最終的に土壌を入れるその前の段階まで。

今回は、人口地盤上で植物を育てていくための理論篇。

今までやってきた植栽地盤づくりでは、コンクリート地盤の上に見切り材を乗せ、
せいぜい土壌漏れ防止用に透水シートを敷いたくらいが関の山だったのだが、
今回は、植物の生育環境を少なからず考慮した作りにしようと思った。
というのは、植物の生育に不可欠な要素に、基盤や土壌の保水性と排水性、という
一見二律背反する要素が深く関わっているからだ。

少しガーデニングに関心のある人なら、園芸書などに「保水力があり、なおかつ排水性にすぐれた土が適している」
などという文章が書かれているのを読んで、「なんじゃそりゃ」と思った人も多いのではないだろうか
(何を隠そう自分もその一人)。

完全に矛盾してるよそれって。
と、考えるのが普通だと思う。

これの意味するところが、最近になってようやく自分の中でガテンがいくようになってきた。

たいていの植物に喜ばれるのは、必要なときに必要な分だけ水分が補給でき、
なおかつ必要でない余った水分はできる限り速やかに排出される土壌である、ということ。

植物の根っこは、水分や栄養分だけでなく、
他の生き物たちと同じく呼吸する必要性から、相応の酸素が必要。
そのため、一度浸透した水分が流れ出ることなく、一か所に滞ってしまうことは、
呼吸の妨げになり、ひいては「根腐れ」の原因になる。
つまり、根っこが溺れ死んで腐ってしまうというわけ。

事が一般的な庭造り、つまりいわゆる「地植え」の庭であるならば、
たとえばそこの土壌がニチャニチャの粘土質であるならば、
砂や小石などを混ぜ合わせて排水性を高めればいいし、
逆にサラサラの砂に近いような場所なら、
腐葉土を漉きこむなど保水性を高める工夫をすればいい。

しかし、今回挑戦しているごとく下が地面とつながっていない、いわゆる人工地盤上に植栽基盤を作っていく場合、
普通の庭の土壌作りとはまったく異なる発想をする必要がある。

ここでヒントになるのが、近ごろ目覚ましい発展を遂げているといっていい屋上緑化の技術だ。

屋上緑化をはじめとするいわゆる特殊緑化については、調べれば調べるほど面白い事実や疑問にぶつかる。

例えば、植物は本当に肥料などの栄養分をそれほど必要としているのか。
つまりは、先ほども少し触れたが植物に本当に必要なものは水分と空気と日光と、
ほんの少しのミネラルだけなのではないか、ということ。

また、植物の根の可動範囲としては、深さよりもむしろ広さ、つまり面積が重要であるということ。
いわゆる「薄層緑化」が可能となる所以だ。

あるいは。

人工地盤上では必然的に根の生育が制限されるが、
地上部もそれにともなって成長におのずと制約があること。

このことは、次のように言い換えることができるだろう。

排水が悪いと、植物の根は空気を求めて遠くに伸びていく。
反対に、乾燥しすぎると、今度は水分を求めて遠くに伸びていく。
根が大きくなればそれにしたがって地上部も大きくなるわけで、
地植えでどこまで成長してもいっこうにかまわないというならばともかく、
さまざまな制約のもとに植えつけられた人工地盤上の植物たちにとっては、
みずからの成長と個体の維持とがイコールで直接結びつかない、
それどころか逆に成長がマイナスの意味を持たざるを得ない、
というパラドックスに悩まされることになるわけだ。

とどのつまり、そういう条件におかれた植物は、悪循環に陥り最終的には枯れてしまうほかない。

つまり、必要な時に必要な分だけ水分あるいは空気があれば、
根っこはわざわざ遠くまで水分や空気を探しまわる必要がなく、
地上部もそれにともなってコンパクトさを保ち、結果的に長生きすることになる。

ほかにもまだまだ興味深いことがたくさんあるのだが、
こういったことが屋上をはじめとする特殊地盤緑化の経験から培われてきたノウハウの粋と言っていいと思う。

こうした知識を(あくまで知識のみを)踏まえて、コンクリート上に庭を造る、という試みを進めていく。

今度の場合、屋上緑化に準ずる施工といっても荷重制限は関係しないので、
本来は人工軽量土壌を使用する必要はないのだが、
保水・排水面で実績のあるとされる資材を試してみたいという好奇心もあり、
いろいろと悩んだ末に屋上緑化用の資材を使用することに決めた。
これについては折に触れて紹介していく。

今回の記事は文章ばかりで読みづらいかもしれませんね。

とりあえずの理論をここにぶちまけたので、
次回からはまた実践あるのみ、です。

ではでは、またまた 

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今日の一枚

2010031601

せっかく今年も咲いてくれた、と思ったのもつかの間、
ほんの2、3日花開いて今ではすっかり葉っぱだけになってしまったクロッカスの仲間。

命短きものたちの一瞬の輝き。

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2010年2月24日 (水)

フェルトガーデン戸田 ...戸田市の緑化事情 (2)

ここのところ、なんだかんだと慌ただしく、ブログの更新もままならない Fuです。
昨日は日中、戸田市役所に罷り出てまいりました。

というのは実は先だって第二子をさずかりまして、出生届けを提出しに行ってきたというワケです。

かれこれ6年ほど前に長女が生まれたときにやはりここを訪れた際、
誕生記念樹としてキンカンの苗木をいただいたと記憶しているのですが、
そしてその当時は園芸なぞにまったく何らの関心も持っていなかった私は
持ち帰ったその苗木を間髪おかずに枯らすことになるのですが、
今回はその思い出の、というよりトラウマのキンカンは敬遠し、
黄色い斑入り葉の西洋シャクナゲをいただいてきました。
公園緑地化さん、ありがとうございました。今度こそ大切に育ててみせます 

2010022401_3

それにしても、「プレジデント・ルーズベルト」って・・・。
セオドアでしょうか、フランクリンでしょうか。

出生届けを提出すると記念樹を贈呈する、というのはどこの役場でもやっていることなのでしょうか。
ナゾです。

ともあれ、ここからがメインのお話。

この役場の屋上に、「フェルトガーデン戸田」と名づけられた緑化スペースがあり、
せっかくなので(手続きの合間に)見学してきました。

受付の女性に「屋上緑化、見学したいんですけど」と申し出ると、
「環境クリーン室」というセクションに案内されたので、事情を説明すると、
屋上に通じるドアの鍵を持ってくるので待っていてほしいとの事。
てっきり、常時開放されているものだとばかり思っていたので、面喰らってしまった。

「市民に開放したりはしてないんですか ?」
「実は屋上の隣が市長室になってまして・・・」

なーるほど。セキュリティ上の問題ですね。
近頃、いろんな輩がいますからね。まあ、無理もないか。

市長選も近づき、現職の神保さんが4選を果たすか ?
あるいは、市長室の主がしばらくぶりに変わることになるんでしょうか。

今回の選挙、普段の仕事上微妙に関わりのある会社の社長さんが突然立候補されたんでびっくりしてます。
ごくたまーにですが顔を合わせる人なので・・・。
ちなみに投票日は3月21日です。

非常に局地的な話ですみません。

で、肝心の「フェルトガーデン戸田」について。

2010022402

詳しい説明はコチラ(PDFファイル)。

現在は、上のファイルの状況からさらに進んで、460㎡もの敷地が緑化されてます。

さすがにまだ冬のこの時期、夏シバは枯れ色、その他の草花もそれなりの状態。

2010022403

細かい説明は上のファイルに譲るとして、
この緑化システムの一番の売りとして、あらゆる素材がリサイクルされたもので出来上がっていること、が挙げられるでしょう。
土壌基盤材は「スーパーソル
といって、廃ガラス瓶を焼成して作られた一種のパーライト。
これに市内の家庭から出された生ゴミをEM(有用微生物)処理されたボカシ肥え等を漉きこんだものらしい。
この土壌基盤に、衣料廃棄物(古布)をリサイクルして作られたフェルト(厚さ1cm)を保水材、あるいは一種のマルチング材としてかぶせてある。
だから「フェルトガーデン」。

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、こんな感じ。

2010022404

植物はヒューケラ(西洋ツボサンゴ)。

見切り材もペットボトルからの再生材、という徹底ぶり。

2010022405

見切り材の下部には5mmほどの隙間があり、排水にも気を使っている。
ちなみに自動潅水システムは屋上の別スペースに設置されているソーラーパネル経由の電気で作動している、との事。

説明してくれた女性の職員の方によると、芝生などの植栽を変えようと思った時には、
フェルト部分を「えいやっ ! 」と持ち上げて取り去ってしまえば一気に、簡単に済んでしまうだろう、との事。
確かに、万が一撤去したい時でも、比較的容易かもしれない。

また、このような人工土壌にも、ミミズなどの小動物が生息しているとのこと。
EM菌のおかげでしょうか。
しかしそもそもどうやってこの屋上までいらっしゃったのか、ナゾです。

また、階下はあきらかに他より涼しい、とのこと。
冷房費節約にも役立っているそうです。

フェンスにはこんなツル植物が絡んでいました。
冬枯れしているのでよく分かりませんが、ツルマサキでしょうか。

2010022406 

ちなみにこのフェンスのフレームもペットボトル由来だそうです。
徹底されてますね。

長年お世話になっている戸田市の役場でこのようなある意味先駆的な事業が行われていることに、誇らしい気分にもなるのですが、
せっかくなので市民に開放し、もっと広く「フェルトガーデン」を広めていけないものでしょうか
(職員の方々でさえも、例えば昼休み時間にここを利用する人は皆無ということ)。
そのためには、市長室を「ガラス張り」にするぐらいの行革意識が必要かもしれませんが。

また、気になったのは、使用されている植物相が貧弱だということ。
敷地の8割ほどが芝生なので、仕方のないことといえばそれまでですが、
正直もう少し冒険してもいいかと個人的には思いました。
シバ以外には、タイム、ヒューケラ、ラミウム、アメリカツルマサキ、ブルーパシフィック(這い性コニファー)など。
屋上ということで加重制限も厳しいのでしょうが、何ゆえここまでグラウンドカバーにこだわるのか。
2010年の今年は「国際生物多様性年」でもありますので、意識改革を望みたいところです。

あるいは少なくとも「戸田ヶ原再生事業」も始まるということですし(以前の記事参照)、
役場の屋上スペースに象徴的にトダスゲやサクラソウなど、いわゆる在来種の植栽コーナーを設けるなどしてもいいんじゃないでしょうか。
小さな戸田ヶ原を市役所の屋上に。
公園緑地課さん、ご検討のほど。

ともあれ、正味10分ほどの見学でしたが、
市民とはいえ団体などではなくたった一人のほとんど冷やかし半分の素性の知れない人間に、
最後まで嫌な顔ひとつせずに説明してくれた「環境クリーン室」の女性職員の方に感謝いたします。
ありがとうございました。暖かくなったらまた来ます。

ではでは、またまた 

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2010年2月13日 (土)

画期的 ? 安行発の屋上緑化基盤材。

先日、ヤボ用のついでに川口そごうの屋上緑化を見に行ってきた。
寒い中なので当然ながら人影もまばらでお世辞にも賑わっているとはいいがたかったが、
なかなか興味深かったので感想など。

まずは大まかに、こんな感じ。

2010021301_2

時期が時期だけに、寂しい感じだが、芝生もきちんと根付いており気持ちがいい。
春以降に来てみれば印象もだいぶ違うでしょう。

ここの屋上庭園で採用されているシステムの見本がこちら。

2010021302

樹木の足元の四角いユニットに注目。

2010021303  2010021304

何やら、50cm四方、厚さ15cmほどの四角い白っぽいモヤモヤに植物が植えられていますね。
これ、川口市の安行造園さん
という会社によって商品化された、
安行四季彩マット」というユニット式の植栽マット。ポリプロピレン製の基盤材です。

ちなみにわたくし、個人的にかつて安行で暮らしていた時期もあるので、親近感わいてきます。

ホームページからの説明によると、
「薄くて、軽いため手軽に持ち運びができ、並べるだけで緑化でき、その模様替えもすぐにできます。土のない屋上・バルコニー(ベランダ)などでも緑の空間を演出でき、庭付きの家にすることができます。また、エントランスなどわずかなスペースでも緑を楽しめます、云々」
とのこと。

気軽に着脱・移動可能というのは、一般の住宅のベランダ等の緑化には重宝がられるのではないでしょうか。

施工方法はいたって簡単で、この基盤材に穴をこじ開け、ある程度整理した植物の根を差しこみ、ピートモスなどの軽量土壌を間に詰める。
言ってみれば、それだけ。
この白いポリプロピレンのモヤモヤに植物の根っこがからみつき、がっしりと地上部を支える。

2010021305

説明によれば、先ほどの50cm四方、15cm厚の「安行四季彩マット」で写真のように2mから3mほどの樹木まで植えられる、らしい。
また根っこの成長がそれなりに制限されるため、地上部もむやみに大きくなりすぎない、らしい。
ほんとなら画期的、というかそれが目の前に現物として堂々と展示してあると、疑いようもないのですが。

他の場所に目を移すと・・・。

2010021306_2

確かに、屋上の人口地盤上に設置された一見何てことのない植え込み。
基盤の厚さはやはりわずか15cmから20cmほどだが、問題なさそうです。

植えられている樹木の根元を見てみると・・・。

2010021307

やはり、例の植栽ユニットが使われているのが分かりますね。

こんな風に、下草に彩りを持たせている例も。

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こちらは、冬でも葉を落とさないシマトネリコ。3mはありますね。冬だけど、涼しげ。
たった15cmほどの土厚に根っこががっしりと張ってます。

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ちょっと手で揺すってみましたが、本当にしっかりしていて、多少の突風なんぞではびくともしそうにない。
ほとんど地植えかと見まごうほど。

2010021311

潅水は、どうしているのか気になるところです。
埼玉県庁の「安行四季彩マット」のページ
にも、「安行四季彩マットは排水がよく、根腐れを起こしにくい製品です。排水がよいため、灌水は十分に行ってください」とあるので、無潅水というわけにはいかないでしょう。
やはり、自動潅水装置が設置されているのでしょうか。水がところどころ溢れていました。

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ともあれ、やはりもっと暖かくなってから再訪したいものです。

2010021314

ちなみにこの「安行四季彩マット」、気軽に試してみたい場合、30cmぐらいまでの苗木を植えることのできる小さなタイプがキットになっていて、インターネットで簡単に手に入ります。興味のある方は是非。

安行四季彩マット Sキット 安行四季彩マット Sキット
販売元:環境検査キット通販エコショップDK
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ではでは、またまた 

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