カテゴリー「 赤城自然園」の6件の記事

2010年11月17日 (水)

たゆたう : 晩秋の赤城自然園 (完)

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全開の紅葉、

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そして黄葉。

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色彩の氾濫。






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せせらぎ、

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たゆたい、

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ふりつもる。

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    あれふるたゆたう、
       あれふるみちる

      てにふれたもの
        われふりつもる。

                                        これちるかなたに
                                          これちるなかれ

                                          てばなしたもの も
                                            われふりつもる。

                     
                      あれふるたゆたう、
                        あれふるみちる

                                 てにふれたもの

                                    

                                                tayu-tau 原田郁子

                                             「tayutau.mp3」をダウンロード





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2010年11月15日 (月)

群馬ジュラシック・パーク : 晩秋の赤城自然園 (3)

水辺の岩場に陣取る、このシダ植物。
「羽」を広げると直系1メートルはあろうか。

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オシダ (Dryopteris crassirhizoma、オシダ科)。

とってもシダらしいシダ。



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左の写真は春先。まだまだ寝ぼけまなこのオシダの様子。
右はつい先日の様子。



ここ赤城自然園では、樹々や草花以外にも、
こうしたシダ類がたくさん見られる。

前回紹介したクサソテツやこのオシダが主だが、
よく探せば他の種類も見つかるだろう。

こんな本でも携帯していけば面白いかもしれない。

シダハンドブック シダハンドブック

著者:北川 淑子
販売元:文一総合出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する



「自然生態園」の入り口付近の針葉樹林下の群落は思わず息を呑む。

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近くを通りがかった人が、「恐竜でも出てきそうね」、と。
確かに。
ここに巨大な原始トンボ(メガネウラ)でも飛んでたら、などと想像するのも楽しい。



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始祖鳥のハネ。



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裏面。
ソーラス(胞子嚢群)の様子。



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ベスト・ショット・オブ・ザ・デイ、緑の放射線。

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2010年11月12日 (金)

冬のあしおと : 晩秋の赤城自然園 (2)

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いないいないー・・・


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やっぱりいない。



冬はもうすぐそこ。
植物を愛でるには少しものさびしい季節です。



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こんなふうに実をつけた植物たちが、あちこち。

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いくら ?

いえいえ、ユキザサの実です。
はじめて見た。

「森のルビー」と呼ぶ人もいるらしい。



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役目を終えつつあるヤグルマソウの葉。
僕の大好きな植物。

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少しぐらいタネ、失敬しちゃいましょうか。
まずいかな・・・。



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この毒々しさ、冬枯れの風景の中でひときわ目を引く。
サトイモ科のマムシグサの実。

真っ赤に熟れたトウモロコシ。



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ガマズミの実は、甘酸っぱくって美味だとか。
しまった、試食しそこなった。



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あれれ、このホウライシダみたいな葉は、オダマキですかね。
これから休眠に入るのかな ?
それとも、うっかり葉を茂らせちゃったのか。



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春はハシリドコロ、秋はこのヤマトリカブトと、
この自然園にはごくふつうに毒草があちこちで見られる。
ありがちな注意書きなどがいっさいないのも気持ちいい。



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秋の花・・・

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オヤマリンドウとナデシコのマット。



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むむっ、生態系の危険なドラマが展開されるのか !?
(画像クリック、2匹の生き物を探してみてください)

しばらくお互いにじっと息をひそめて佇んでいたが、まったく身動きせず。
しびれを切らして立ち上がった。

よいしょ、と。

ドラマチックなことなんてそんなにめったやたらと起こるもんじゃない、か。



・・・と、思ったら、別の場所で。

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1センチメートル vs 5ミリメートルの食物連鎖。
弱肉強食の非情な世界。
ハードボイルド・ボタニカルワールド。

こんなふうにぼんやり土の上眺めてるだけで、まったく飽きないのでした。



番外編。

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じっと寄り添う二人。

キノコには、人の想像力をくすぐるものがある。



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なんだこれ。
誰か、お昼のあんぱんでも落としたか ?

と思って指でつまんでも、あれ、持ち上がらない。



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でもほらやっぱり、あんぱんだ、こりゃ。

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2010年11月11日 (木)

紅葉の季節に : 晩秋の赤城自然園 (1)

この前の日曜日、群馬県の赤城自然園を再訪した。

前に尋ねたのが4月だから、かれこれ半年以上になる。
前回はそれこそまだ早春、やっとカタクリがほころぶころだった。

以前の記事。
赤城自然園、一民間企業の暴挙
赤城自然園、4月下旬の様子

今回は、晩秋の訪問。
つまり、春から初夏という高原でいちばんいい季節を完全にスルーしてしまったわけだ。
しかたない、その季節、他にも見たいところや行きたいところがたくさんあったのだから。

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ブナの木も落葉しかかって。


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アオハダはまだ美しい緑を宿している。


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メグスリノキ。
透かした太陽が美しい。


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ホオノキの葉。
食器がわりになるというのもうなずける。


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自然にできたふかふかの腐葉土。
いい土の香りがする。


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落ちたクリの実は、晩の炊き込みご飯にするには残念ながら小さすぎた。


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まだまだ青々としたクサソテツの群落。
5月の光のもとで、会いたかった植物。
来年こそは。


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大事な芽をはらんだミズバショウ。


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ちょうど紅葉の季節ということもあり、
駐車場ではすでに大型バスが何台も団体客の帰りを待ちつつ惰眠をむさぼっていた。

そうか、みんな紅葉が目当てなのか。
うん、そりゃそうだ。
確かに、まぶしいほど美しい。

でも僕はそんな彼らを尻目に、晩秋の高原の野草たちがお目当て。
春に咲く草花たちはとっくに眠りについているだろうけれども、
それ以外の植物たちは種という子孫をたおやかな風に託しているころだろうか。

次回も赤城自然園の様子、続きます。

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2010年4月28日 (水)

赤城自然園、4月下旬の様子

園内は、まだ冬の景色を色濃く残している。
低地ではすでに始まっている新緑の眩しい輝きは、
標高600~700m、赤城山麓のここではもう少し先のようだ。

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エントランスを過ぎてすぐ、人造物とは思えない澄んだ清流が目に飛び込んでくる。
まださすがに素足を浸す気にはなれないが、ミズバショウが出迎えてくれた。

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ミズバショウ (Lysichiton camtschatcense、サトイモ科)。

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ごわごわしてゴムみたいな感触。「仏炎苞」も上がってきつつある。

この先に広がるのは「セゾンガーデン」。

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ツツジやシャクナゲをメインに、芝生のある「シークレット・ガーデン」風の庭。
ベンチも置いてあって、ものを食べたりお昼寝するのによさそうだ。

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おそらく意図的に園芸品種を多く使っており、敷地中もっとも華やかだが、来場者は少ない。とても静か。
そのツツジやシャクナゲはともかく、下草の園芸植物が花盛り。

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サクラソウ。

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うーん、このシモバシラみたいな花をびっしりと咲かせている草丈10cmほどのグランドカバー、初めて見た。
情報求ム。

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こちらは、お馴染みのムスカリさんですね。

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ムスカリ・アルメニアクム (Muscari Armeniacum、ユリ科) 。
とってもメルヘンチックで、そこにいるだけで恥ずかしくなってきちゃう。
恋人同士が肩を寄せ合う場所。

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「セゾンガーデン」と「四季の森」をつなぐ位置にある小さな流れ。
夏なんか、いいでしょうねー。
周囲に野草の芽が出てきているのがなおいい。サクラソウかな ?

その「四季の森」はまだ時期的に見るべきものが少ないので、広大な「自然生態園」へ。

「生きものたちの生活をとおして、自然のしくみにふれるエリア。コナラ林、チョウのはらっぱ、
 カブトムシの森、ミズスマシの池、トンボ池、野草のはらっぱ、昆虫館など・・・」(HPより

残念ながら、まだ昆虫たちの活動は始まっていないようだったけれど、
この「赤城自然園」中もっとも見ごたえのある、広大なメインエリア。
コナラなど樹々の芽吹きはまだ先だが、たくさんの野草たちの芽出しが見られる。

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ユキザサ、かな ?
白っぽいウブ毛がかわいい。

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こちらは、すでに葉が展開し、花もきている。
ユキザサ (Smilacina japonica、ユリ科)。

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山野草の女王、シラネアオイ(Glaucidium palmatum、シラネアオイ科)。
大株です。すごい。自宅で栽培するとなると、すごく手間がかかる。低地ではキビしい。
春に太陽の光が十分当たり、夏は直射日光を避け風通しよく、
雨が降っても水がサーッと抜けるような用土のベッドを用意してあげなくちゃならない。
何て気むずかしい女王さまなんだろう。
しかも日本原産の一属一科一種、シラネアオイ科シラネアオイ属シラネアオイ。
孤高の存在。簡単に手に入れてはいけない。

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こちらもシラネアオイと同じく、日本原産の一属一種の野草、レンゲショウマ。
これだけの群落、花の時期はちょっと想像できない。きっと見事でしょう。

レンゲショウマ (Anemonopsis macrophylla、キンポウゲ科)。夏に咲く。
もちろん植えられたものでしょうが、立派に育っている。

次。地面にだらしなく這いつくばっているこれ、なんでしょう。

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答えは、いまだ冬枯れしたままのオシダの群落。
ところどころ、芽だしが見られる。

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もう少し暖かくなって、こいつらがいっせいに芽吹いて林床を覆ったら、さぞ勇壮な光景だろう。
オシダ (Dryopteris crassirhizoma、オシダ科)。

シダといえば、この自然園に是非とも来てみたいと思ったのは、ホームページのメインの画像に感動したから。
林床を見事な黄緑色で染め上げる、クサソテツ (Matteuccia struthiopteris、イワデンダ科) の群落。

無断掲載お許しを請う。

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何という暖かい画像。陽の光のぬくもりとフカフカの土の感触が伝わってくるような・・・。

残念ながら、オシダと同じくこのクサソテツもまだ芽出し段階で、地面を覆うという感じではなかった。
それこそまだコゴミ状態で、人によっては夕飯のおカズにしたくなるにちがいない(ダメですよ、ゼッタイ)。
おひたし、てんぷら。最高。

できれば、この画像で見られるような時期にもう一度来よう。
5月の下旬くらいだろうか ・・・ ?

かといって、今の時期がつまらないかというと、そんなこともない。
何しろ、カタクリの群落がちょうど見ごろだから。

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カタクリ (Erythronium japonicum、ユリ科) の海。

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這いつくばって昆虫の目線で。花の中心部に模様が見えますね。
八ヶ岳倶楽部の柳生真吾さんいうところの「虫を誘うあやしいネオンサイン」。
陽の当たる場所とそうでない場所で、やはり花の咲き具合が違うようだ。

それにしても、この高貴な姿。
一年のうちでこの時期だけしか見られない儚いスペクタクル。
咲き終わればまたすぐ眠りにつく「スプリング・エフェメラル」(春の妖精、儚い命)たち。

でっ、でたー! 傘お化け・・・?

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いえ、ヤブレガサ (Syneilesis palmata、キク科) の芽出しです。

お化けというより、ゾンビか ?
BGM 「スリラー」 スタート ! 

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ひゅーどろどろ、うらめしやー 

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陽の光がよく当たるところのは傘が半開きぐらいになってる。
迫りくる傘ゾンビたち。

それにしても、「ヤブレガサ」なんて見たまんまやん、ってツッコミ入れたくなる。

こちらは、ヤマシャクヤク (Paeonia japonica、ボタン科) でしょうか。

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花芽が上がってきてるが、高貴なこの花もたった2,3日でいさぎよく散ってしまう。
なので、この花を狙ってここを訪れるのは、至難のワザといっていい。

こちらは、エンレイソウ (Trillium smallii、ユリ科) の群落。

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群落といっても、グランドカバーになるほどびっしりと覆わないのが控え目でいい。
こちらがアップ。「トリリウム」というだけあって、この独特の丸みをおびた三つ葉がかわいい。

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イカリソウ。
この植物も、花より赤っぽい縁取りの葉の感じが好き。

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この園には、下の画像のようないわゆる「雑草」の類がほとんど見られない。
とてもよく管理が行き届いているのがよく分かる。

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わが家の庭にも植えてあるアオハダ。

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まだまったく芽吹いておらず、荒涼としているが、もうしばらくすればここにも芽吹きの季節がくるでしょう。

長くなりました。

ではでは、またまた 

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2010年4月26日 (月)

赤城自然園、一民間企業の暴挙

4月22日付けの「毎日新聞」でたまたま目にした、
「『秘密の花園』春再び 昨年閉鎖の赤城自然園」 という記
事(下欄参照)を読んで、
いてもたってもいられずさっそく先日の土曜日に足を延ばしてきた。

記事によると、赤字続きを理由に昨年閉鎖された群馬県渋川市の「赤城自然園」が再オープンされたとの事。
片場さんという元社員の方がこの再オープンまでの8ヶ月間、無給で(!)120㌶の園を守り続けた、という。

「人が手をかけなければ、繁殖力の強い外来種が生き残り、自然の調和が崩れる。
一度荒れると、なかなか元に戻らない」
・・・という考えのもと、手入れを続けたという。

ちなみに、「08年に外資(米ウォルマート)の完全子会社になった管理運営会社」とは西友、
そして「堤清二・元セゾングループ代表のかつての部下が経営する企業」、
すなわち今回「新・赤城自然園」のスポンサーとなったのが、クレディセゾンだ。

折からの不況続きで、このような採算性の見込めない部門を切り捨てる、
というのは企業としてある意味当然のことかもしれない。

しかし、この片場さんのような、
強烈な使命感に突き動かされた「頑固な男」(堤氏の言)が「かすみを食べ」つつ頑張ったおかげで、
首都圏ではまれに見る広大さを誇るこの「自然園」が
とりあえずとはいえ維持される運びとなったのは、とても悦ばしいことだ。
片場さんにはもちろん、堤氏とクレディセゾンにも、僭越ながら拍手を送りたい。

入園料は大人1,000円。
正直すこし高いかなと思わざるをえないが、黒字経営に持っていくためには致し方ないというべきか。
・・・でも実は、自分はセゾンカードを持っているので半額の500円で入園できた!

これだけの広さの、しかも大向こう受けするアトラクションなどがあるというわけでもない、
言ってみれば地味な空間を、
一民間企業が地道に経営していくという、まさに暴挙。

しかし、これぞ快挙と言わずして何と言おうか。


負けずに頑張ってほしいものです。
今度行ったときには、千円払います!  ・・・多分。

あの八ッ場ダム問題を抱える同じ群馬県、
行政はもっとこういう方面にお金を使ってくれないものだろうか。
まぁしかし官がでしゃばるとロクなことにならない、
というのはみんなあちこちでイヤんなるほど見てきたわけだから、
ここは少々苦しくてもクレディセゾンさんに是非とも踏ん張ってもらいたいものだ。

お役人にチョッカイ出されるとこの自然園などさしずめ「赤城ふれあい広場」にでもなってしまうのだろうか。
ともあれ少なくともここが「赤城自然」から「赤城自然公園」に「格上げ」されないことを望みます。

最後にひとこと。

余計な設備や建物を抑えた、硬派でストイックな姿勢をこれからも続けていってほしい、
のはヤマヤマだけれど、もう少し若い人たちが来やすくなるような何か、
たとえばおいしいレストランだとか、小洒落て落ち着いた雰囲気のカフェ、
なんぞがさりげなく併設されていれば、もう少し来やすくなるのかもしれない。
季節限定でもかまわないので。

・・・キビしいかなぁ。

お見受けしたところ、来園者のほとんどはご年配の方々であり、
自分のような若輩者が、しかもたった一人きりでうろうろしているのは何となく視線が気になるものだ。
「写真撮りに来ました!」という雰囲気を、
いちいち全身からかもし出さなくてはならないというのが、少々うっとうしい。
あからさまに膝を地面につき、カタクリの花を下からのぞきこんだり。

まあ、考えすぎでしょうが。 

同じく一人っきりでいらっしゃっていた、大げさな写真の機材を肩から提げた男性とは、
チラリと目が合った瞬間 「ご同輩!」 とお互いに心の中でエールを交わし合ったりもした。

・・・というわけで、実際の園内の様子は、次回の記事で紹介できると思う。

ではでは、またまた 


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その他の赤城自然園関連の日記

2010年4月28日 赤城自然園、4月下旬の様子

2010年11月11日 紅葉の季節に : 晩秋の赤城自然園 (1)
2010年11月12日 冬のあしおと : 晩秋の赤城自然園 (2)
2010年11月15日 群馬ジュラシック・パーク : 晩秋の赤城自然園 (3)
2010年11月17日 たゆたう : 晩秋の赤城自然園 (完)



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「赤城自然園 再オープン 閉鎖後、元社員が無給で手入れ (毎日新聞 4/22)


全国屈指の規模を誇りながら昨年3月、「利益を生まない」として閉鎖された群馬県渋川市の「赤城自然園」が22日、約1年ぶりに再オープンした。昨年末に新たなスポンサーが決まるまでの8カ月間、元社員の片場富夫さん(62)=埼玉県志木市=は雇用打ち切り後も一人、赤城山麓に広がる約120ヘクタールの園を守り続けた。開発当初からかかわって28年。「声を掛けてくれた来園者一人一人の顔が思い浮かび、やるしかなかった。男の意地だった」と振り返る。【鈴木敦子】

 赤城自然園は82年、西武(のちのセゾン)グループが開発を始め、95年にオープン。標高600~700メートルの杉林を切り開き、ミズバショウやクリスマスローズなど約660種を植えた。ヘイケボタルなど約1810種の昆虫も生息し、遊歩道ではリスなどの野生動物に出合え、首都圏からの家族連れや山歩きが好きな中高年に人気だった。

 しかし08年、管理運営会社が外資の完全子会社になると「赤字続き」を理由に閉鎖が決まった。片場さんによると、来園者は年間約1万人いたが、維持管理に1億円以上かかっていたという。片場さんは定年延長を打ち切られて退職し、一緒に草刈りや花の手入れをしていた同僚4人は他の職場に移った。誰も園の世話をしなくなった。

 「人が手をかけなければ、繁殖力の強い外来種が生き残り、自然の調和が崩れる。一度荒れると、なかなか元に戻らない」。片場さんは渋川市内のビジネスホテルから自然園に毎日通い、「無給の不法侵入者」として手入れを続けた。毎週末に園を訪れ漬物をくれたおばあちゃん、キツネに襲われた鳥の悲鳴を聞き、びっくりしていた都会の子供たち。自然園が出会いの場のカップルは「結婚しました」と報告に来てくれた--。さまざまな思いが去来した。

 だが、老後の蓄えを取り崩すには無理があった。昨年8月、堤清二元セゾングループ代表(83)に直談判した。「かすみを食べてここまで来ましたが、もう限界です」

 堤氏によると、自然園は都会の子供たちのために「採算度外視のトップダウンで始めた事業だった」という。片場さんの直訴を受け、かつての部下が経営する企業に自然園の買い取りを頼み、再オープンは実現した。「熱意に押され、何とか協力したかった」と堤氏。片場さんは園長として雇用が決まった。

 この日午前11時25分から始まったテープカットを、片場さんは「1年間の地道な苦労がようやく実を結んだ」と感慨深そうに見つめた。園は今、淡い紫色のシラネアオイが満開で、ゴールデンウイークにはシャクナゲなどが彩る。「花だって、きれいな姿をお客さんに見てもらって、うれしいでしょう」と片場さんは目を細めた。

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